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アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

東北地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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仙台

247件の記事があります。

2021年07月26日干潟のカニたち

仙台 鎌田 和子

 こんにちは、仙台自然保護官事務所の鎌田です。

 国指定仙台海浜鳥獣保護区の干潟の生きものを紹介します。今日は鳥類ではなく、干潟の小さなカニを見てみましょう。

 国指定仙台海浜鳥獣保護区には、蒲生干潟、井土浦に干潟があります。2011年の東日本大震災で大きな被害があり干潟が消滅したと落胆した時もありました。干潟の生きものたちはたくましく生活しています。

 

 蒲生特別保護地区の蒲生干潟です。緑の芝生のように見えるのは、塩性湿地に生育するハママツナです。干潮時の干潟では水際までの砂地を歩くと、大小の砂団子と5㎜の穴から1㎝の穴がいたるところに観察できます。近づいてみましょう。

 

わかりますか?砂と一体化してますよ。ここですよ!ハサミを器用に動かして砂の中からエサを食べています。甲羅の大きさが1㎝位の小型のコメツキガニです。私たちが静かに歩いて近づいても、一歩、一歩の大きな振動に感じるので、しばらく、しゃがんで静かに待ちましょう。ひょこっ、ひょこっと顔を出し、巣穴から出たりひっこんだり、可愛い姿を観察できます。

 潮のひきはじめや、満ちていく時間帯には、こんなにいっぱいのコメツキガニがにぎやかに過ごしている様子も観察できます。

 次は、井土浦特別保護地区に隣接する東谷地の様子です。

 名取川河川堤防と県道仙台亘理自転車道に挟まれた干潟、通称「東谷地」と呼ばれているところでは、ヨシ、アイアシ、シオクグなどの植物が干潟の周囲に生育しています。こちらも静かに近づいてみましょう。

 

  ヨシ原に巣穴を掘って生活しているアシハラガニです。甲羅の大きさは3.5㎝位の中型のカニ、貝殻をお皿のように持って右往左往してました。落ち着いたら、貝殻の付着物をハサミで取り口に運んでました。

 小さな巣穴が沢山あるので近づいてみました。こちらでは、青白い小型のカニが巣穴の入り口で、ハサミを上下にふり、万歳、万歳、ダンスしています。

  こちらもコメツキガニと同じくらいの小さなカニ、チゴガニです。

3種類のカニを紹介しましたが、他のカニの仲間や貝、ゴカイなどの干潟の生きものを底生生物といいますが、夏休みに干潟のカニを通して、干潟の生きものや役割など調べてみませんか。小さな生き物のゆりかご、干潟で暮らす小さな魚のエサ、水鳥の休憩地になったり、私たちのリフレッシュの場になったり、水質浄化にもつながります。

 干潟の周辺には木陰がありませんので、熱中症等暑さ対策を忘れずに準備してお出かけください。

 

 

 

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2021年06月07日令和3年度野生生物保護功労者表彰 環境大臣賞 伝達式

仙台 鎌田 和子

 こんにちは、仙台自然保護官事務所の鎌田です。

 うれしい報告をいたします。フライングギースプロジェクトの皆さんが環境大臣賞を受賞されました。

 6月4日に大崎市田尻総合支所の会議室をお借りして、「第75回愛鳥週間 令和3年度野生生物保護功労者表彰」環境大臣賞の伝達式を行いました。

  東北地方環境事務所中山隆治所長からフライングギースプロジェクト代表の齋藤肇さんに手渡されました。

 

 フライングギースプロジェクトの皆さんは、宮城県北部の蕪栗沼・周辺水田、化女沼等を中心に、独自のガン類生息状況調査して17年、若年層の参加や育成、調査結果については地域の基礎的な記録として環境行政の取り組みに活かされるなど、保護事業に貢献して貢献してきました。

 メンバーは約30名、ガン類の越冬時期の11月から2月に毎月1回の調査、2人一組で多い時は16エリアに別れて調査を行います。齋藤さんが調査前日に参加人数に合わせて切り張りした調査区域地図を作成、当日、分担して調査を行っています。月に1回ですから、吹雪いてもどんなに寒くても実施してきました。蕪栗沼周辺からはじまり、ガン類の越冬数の増加、北帰行近くなると飛来している場所が広域になり、宮城県北部と言いながら、岩手県一関市までとなることもあります。拠点となる「田守村たっしゅむら」では、近いところ遠いところの調査にかかる時間に違いはありますが、齋藤さんのご家族が温かいお昼を準備して帰りを待ちます。調査結果は、速報としてフェイスブックなどで情報公開し、シーズンごとのまとめはNPO田んぼの舩橋さんがまとめます。そもそもの、カモ類とガン類の違い等の基礎知識は日本雁を保護する会の呉地さんが教授するなど、地元のやさしい支えの元継続してきました。

  齋藤さん(中央)は、これからもゆるく長く、楽しく調査していきたいと抱負、喜ぶフライングギースプロジェクトの皆さんです。

 今回の伝達式には、大崎市役所産業経済部世界農業遺産推進課、大崎市田尻総合支所の皆様のご協力いただきまして実現いたしました。ありがとうございました。

 環境省では例年、みどりの月間(愛鳥週間)に公益財団日本鳥類保護連盟と共催し東京都内で全国野鳥保護のつどい記念式典を開催して表彰を行っておりますが、本年度は新型コロナウィルス感染症の影響により、事前収録した映像で構成するオンライン形式の式典を5月16日に公開されており、受賞者は各賞ごとに表彰状が読み上げられています。(式典については、7月31日まで日本鳥類保護連盟ウエブサイトで掲載予定 「第75回愛鳥週間 全国野鳥保護のつどい」で検索してみてください。)

 

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2021年05月21日温かい目で見守ろう

仙台 鎌田 和子

こんにちは、仙台自然保護官事務所の鎌田です。

4月20日に「コアジサシ繁殖前の準備」を投稿いたしましたその後をお伝えします。

 

嬉しいことに、4月下旬からコアジサシの飛来が確認されるようになりました。

ゴールデンウイークには、「蒲生を守る会」の皆さんも、コアジサシとシロチドリの繁殖地を守るための看板設置をしてくださいました。

5月下旬に入り、コアジサシは営巣誘致地の砂山を中心に広範囲で確認され、30羽以上が観察できました。

 もちろん、砂山には近寄らず、このように遠くから双眼鏡で観察です。複数のコアジサシが飛び、時折干潟にダイビングする様子も観察できます。

 キィッ、キィッ、蒲生干潟にコアジサシの声が響いてます。

 

改めて蒲生海岸、蒲生干潟に訪れる皆さまへお願い

4月下旬から8月までの間は、干潟周辺、砂浜で繁殖、子育てする鳥たちにとってとても大切な時間です。

子育て放棄とならないように、どうぞ近寄らず遠くから、温かい目で見守るようご協力よろしくお願いいたします。

 

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2021年05月06日伊豆沼 目に青葉・・・・・・・

仙台 鎌田 和子

こんにちは、仙台自然保護官事務所の鎌田です。

連休明けの晴れの日、渡り鳥飛来状況調査を行ってきました。伊豆沼を中継地として北上するカモ類も減少し、替わって夏鳥が見られるようになり、伊豆沼の今シーズンの調査は終了です。

国指定伊豆沼鳥獣保護区でも田植えが始まり、早苗が5月の風に揺れています。

 

今日はこの1枚の写真の音風景をお伝えします。

ヒバリが上空、ホバリングしながら、「ピチュール、ピチュール」

オオヨシキリが沼の周りの枯れヨシから、「ギョギョシ、ギョギョシ」

ウグイスが「ホー、ホケキョ」

ツバメは紙飛行機のように旋回しながら、「つちくって、むしくって、しぶーい」

田んぼからは、アマガエルやニホンアカガエルの合唱

 

水辺のヤナギのやさしい緑、青空を映す田んぼ、残雪がまぶしい栗駒山、様々な命をつなぐ音に溢れています。

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2021年04月30日蕪栗沼のお花畑

仙台 鎌田 和子

 こんにちは、仙台自然保護官事務所の鎌田です。

東北の仲間から桜や野の花の便りが届いています。仙台からもお花畑を紹介します。

 

 ここは、蕪栗沼の葭原に出現したお花畑、一見すると、菜の花畑のように見えるかもしれませんが、これはノウルシの群落です。枯れヨシの間から太陽の恵みを全身で受け止めるように花盛りでした。

  ノウルシは花期に苞葉が黄色に色づき、小さな花を大きく見せています。

 これから、青々としたヨシが成長するころには、オオヨシキリなどの夏鳥の声が響くようになります。

 

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2021年04月20日コアジサシ繁殖前の準備

仙台 鎌田 和子

 こんにちは、仙台自然保護官事務所の鎌田です。

新年度最初の話題は国指定仙台海浜鳥獣保護区蒲生特別保護地区での蒲生干潟自然再生協議会運営事務局の活動について報告します。

 東日本大震災から10年、蒲生干潟でも防潮堤や蒲生干潟と七北田川間で海水交換を行い、干潟の汽水環境を維持するために重要な導流提も3月に完成いたしました。日本一低い日和山の周辺も整備されたことから、多くの人々がこれから訪れることが予想されます。

 蒲生干潟では2005年以降、繁殖も飛来も確認されなくなったコアジサシ(絶滅危惧Ⅱ類)が2019年、2020年に繁殖が確認されました。今年も繁殖してほしい、訪れる人たちには静かに見守ってほしいという気持ちを込めて、コアジサシの繁殖地を保護するため、看板を設置作業を4月18日に行いました。

  日本野鳥の会宮城県支部の皆さんが中心となって準備を行ってくださいました。私たちはコアジサシ

の看板を繁殖が想定される場所の砂浜や砂山を囲むように看板を配置して設置作業を行いました。

    設置後、記念撮影。マスクで顔のほとんどが隠れてますが、久々の活動に笑顔です。

繁殖シーズンには

 4月下旬から8月までの間は、干潟周辺、砂浜で繁殖、子育てする鳥たちにとってとても大切な時間です。

子育て放棄とならないように、どうぞ近寄らず遠くからそっと見守るよう協力よろしくお願いいたします。

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2021年03月23日渡り鳥が迎える駅舎

仙台 鎌田 和子

 こんにちは、仙台自然保護官事務所の鎌田です。

今日は、伊豆沼の冬の渡り鳥観察の玄関となっているJR東北本線新田駅についてお伝えします。

 新田駅のあるのは、登米市迫町新田狼ノ欠(おいのがけ)、10月頃から2月には駅裏の田んぼでマガンやハクチョウが迎えてくれる無人駅です。

  

この駅舎は1894年の建設から127年なり、JR東日本支社管内最古だそうです。地域の住民だけではなく、多くの野鳥愛好家を迎えてきた駅舎でしたが、建て替えのニュースが飛び込んできました。この4月には着工します。

 今では自家用車を利用して日帰りで楽しまれる方が多くなりましたが、昔は新田駅を利用し駅前の旅館に泊まりねぐら入りや飛び立ちの観察に親しまれてきました。昔懐かしい駅舎の見納めにいらっしゃる方は今月中にお越しくださいませ。冬の渡り鳥が去り、春を告げる鳥たちがさえずりをはじめています。

 また、12月末ごろには新しい駅舎ができるそうですから、2019年11月に紹介しましたとおり、電車を利用してここ伊豆沼にお出かけください。渡り鳥たちがお迎えしてくれることでしょう。

 http://tohoku.env.go.jp/blog/2019/11/

 

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2021年03月12日伊豆沼に春を感じた日

仙台 鎌田 和子

こんにちは、仙台自然保護官事務所の鎌田です。

東日本大震災から10年、あの日と同じ伊豆沼を巡視してきました。

あの日は雪がちらつきとても寒い日でしたが、今回は快晴、遠くの山々や白銀の栗駒山を望める日となりました。ついこの前までマガンやカモ類がににぎやかな声が響き渡る沼は静かに、湖面も穏やかです。

 3月6日に行われた野火でヨシがきれいに焼け、その向こうに栗駒山がみえます。この野火は毎年行われてましたが昨年は新型コロナのため中止されてましたので2年ぶり、スッキリしたところで、春の農作業がはじまります。(野火:伊豆沼・内沼では渡り鳥が少なった3月に沼の周りの環境維持のために行っています。)

オオハクチョウの群れが鳴き交わしながら、青空を高く、高く高度を上げながら、北へ向かって旅立つ場面に遭遇しました。

 

出会う人出会う人と10年前のあの時の話になり、誰もが忘れられない、何年経っても忘れない大切な日なのだと。午後2時46分には、私も巡視の車を止めて、黙とういたしました。

静まり返った伊豆沼、野火、北へ向かう冬の渡り鳥、大切な3月11日に春を感じた日となりました。

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2021年01月20日地吹雪の伊豆沼で

仙台 鎌田 和子

こんにちは、仙台自然保護官事務所の鎌田です。

地吹雪の伊豆沼で寒さをこらえているオオハクチョウ、オオヒシクイを紹介します。

 晴れ時折地吹雪、身体の芯まで冷える一日、伊豆沼の中央部は凍りその表面を強風とともに雪が吹いています。手前で休んでいるオオハクチョウの1枚1枚の羽根が風に踊ってました。

 

 頭を翼を折りたたんだ背中にかくして、お休み中,背眠(はいみん)をしているオオハクチョウ、よくみると目を開けて警戒はおこたりません。熟睡できるのかしら?

 一方田んぼでは、オオヒシクイを観察してみました。

  田んぼも地吹雪、オオヒシクイも背眠(はいみん)、こちらは当番制、どこかで誰かが頭を上げて警戒しながら、群れの眠りの安全を見守っているようです。

 地吹雪の合間、みんなで田んぼの凍った土をつつきながら、貴重な食糧をさがしていました。カメラを車の陰から向けただけで警戒し、お尻を向けていつでも逃げられる体勢。

オオヒシクイの白いお尻を見ると、モフモフしています。越冬中の雁の仲間のお尻のあたりを観察していると、秋よりもふくよかな感じがします。この寒い中、食糧(落穂、落ち大豆、雑草など)をせっせと食べて、北へ帰る日に備えています。肥えたお尻はしっかり食べている証拠かな。

 

1月下旬から2月中旬にかけて、北帰行(ほっきこう)がはじまります。今年のような寒さでは、どんな形で旅立ちがはじまるのでしょう。どうぞ、元気に過ごしてほしいと願うばかりです。

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2021年01月06日厳冬期の伊豆沼から

仙台 鎌田 和子

あけましておめでとうございます。

仙台自然保護官事務所の鎌田が今年も宮城県内の国指定鳥獣保護区の情報をお伝えいたしますので、よろしくお願いいたします。

 

 野鳥の高病原性鳥インフルエンザの発生抑制と被害の最小化に努めるため、環境省の取り組みの一環として毎年、10月から5月頃まで全国51ヵ所の冬の渡り鳥の飛来地で行われている糞便調査と採水調査を国指定伊豆沼鳥獣保護区でも実施しています。

 東北地方環境事務所野生生物課の濱田係長と一緒に糞便調査と採水調査の行っていますが、写真は、12月の大雪の日の糞便探しの様子、その翌日は凍てつく伊豆沼の水を採取しています。この場を借りて、濱田さんありがとう。この時の糞便も水も、陰性でした。水鳥たちの元気な証拠かな?

 糞便調査のほかに渡り鳥飛来状況調査を実施しています。伊豆沼鳥獣保護区内にどんな水鳥が飛来していて、どの位飛来しているのか、また弱った個体がいないか、冬の渡り鳥が北に帰るまで、国指定伊豆沼鳥獣保護区の管理員のお二人とアクティブレンジャーが月に3回調査しています。

 お正月の風物詩

 国指定伊豆沼鳥獣保護区はラムサール条約湿地でもあり、宮城県栗原市、登米市の観光地でもあります。

冬のお楽しみは、親子で、カップルで、ご家族で、みんながハクチョウやオナガガモにエサを与えて間近に観察できることです。下の写真はオナガガモが奪い合うようにしている姿を見て、犇めく(ひしめく)丑年に合わせて牛が三つ、密だなと思って撮影してみました。

 ここで、お願いがあります。集まってくる鳥たちを間近で見ることで、小さいお子さんがつかまえることができるのではないかと追いかけているシーンを度々みかけます。鳥がおどろいてしまうのでそっと観察していね。野生の生きものである野鳥もばい菌を持っているかもしれないので、直接エサを手からエサを食べるような与え方を避けてくださいね。お帰りの際は、手指の消毒と、えさを求めて集まる鳥たちの足元には鳥の糞がいっぱいです。靴底の消毒も忘れずに!

 

厳冬の伊豆沼

 12月から次々と寒波が訪れ、伊豆沼では9割結氷しています。よく見ていると、純白なハクチョウとちょっと茶髪のハクチョウをみかけることがあります。もしかすると、日本海側のもっと厳しい寒さから伊豆沼に避難してきた鳥たちと伊豆沼を越冬地としているハクチョウが混ざっているかもしれません。良く観察してみてください。

 結氷した伊豆沼、解放水面にハクチョウやカモたちが集まります。氷上の足跡はハクチョウが歩いている証拠、キツネなどの動物が獲物を狙ってるかもしれません。

 下の写真は、登米市側の伊豆沼前沼の駐車場でのオオハクチョウの行進、観察にお越しの際は、交通事故が起こらないよう、ご注意願います。

いろんな危険が待っています。

 

田んぼのオオヒシクイ

 いつもは沼で過ごすことの多いオオヒシクイですが、沼が結氷したため、伊豆沼の周辺の田んぼのあぜなどに集まり、休んだり、雑草を食べたりして過ごしている様子を観察することができます。

厳冬期ならではの伊豆沼に訪れてみませんか。

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