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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

祝 化女沼ラムサール条約湿地登録10周年

2019年01月21日
仙台 鎌田 和子

こんにちは、仙台自然保護官事務所の鎌田です。

1月19日、宮城県大崎市の化女沼のラムサール条約登録10周年を記念してラムサールフェスティバル(大崎市主催)が開催されましたのでご紹介します。

化女沼は2008年10月に、国内のダム湖としてはじめてラムサール条約湿地に登録されました。大崎市には2005年に登録された蕪栗沼・周辺水田と合わせて2箇所目になり、また、1985年登録の栗原市、登米市にまたがる伊豆沼・内沼と、昨年10月に南三陸町の志津川湾が仲間入りし、宮城県には4箇所のラムサール条約湿地があります。

  

会場の大崎生涯学習センターには10周年を迎えた化女沼を祝う市民、関係者が250名集まりました。

式典が始まる前から、化女沼で活動している団体の活動紹介コーナーに多くの人々が集まっていました。

 

 

 

  

保育園児の作品から小学生の総合学習で調べたラムサール条約湿地のことや、大学生が参加した化女沼での取り組みや、地元の団体や企業がこれまで取り組まれてきたこと、市民が撮影した四季折々の写真など、沢山紹介されていました。

 

 

 

 

ラムサールフェスティバルの基調講演では、日本野鳥の会会長の柳生博さんらによる対談では、亜種ヒシクイの飛来数の減少に触れ、デリケートなヒシクイの気持ちになって考え、観察者や釣り人は配慮した行動が必要ではないかと優しく説かれました。化女沼や蕪栗沼、伊豆沼など宮城県北部の3カ所の湿地だけで日本に渡ってくるガン類の96%が越冬する珍しくもあり、貴重でもあり、世界に誇れる場所であると話されていました。

 

大崎市内の自然環境学習を行っている「おおさき生きものクラブ」小学生の活動発表、化女沼周辺の環境学習や外来種駆除、清掃活動、植樹などの活動している方々のパネル討論、ワイズユース(賢明な利用)、学習・交流、保全・再生について、これまでのことを踏まえ、これからについても語られました。

 

 

 

  

最後に「化女沼宣言」が読み上げられ、「化女沼の豊かさを未来につなぐため・・・・私たちは行動します。」写真の案が、会場の拍手で賛同されました。

※化女沼のおすすめ観察を紹介します。

冬:ガン類の飛び立ち(日の出30分前から待期)、ねぐら入り(日の入り30分前から待期)を観察の場合

自家用車が一般的だと思います。東北自動車道長者原サービスエリアは、24時間利用可能なスマートインターですから、そこがら出入りしていただければ、化女沼ダム観光資料館まで車で5分という近さで到着します。ダムの堰堤からの観察がおすすめです。

ガン類は2月に入るとそろそろ北に帰りはじめるので、暖冬の今年は特に1月中に観察することをおすすめします。

春:桜の咲く頃いらしてください。化女沼の水面に映る桜で2倍楽しめます。

夏:ダム湖の周辺では、チョウトンボをはじめとするトンボが沢山、トンボの観察が楽しめます。

まだまだ、様々なテーマで観察できる化女沼です。

 

ぜひ、化女沼ラムサール条約湿地の魅力を発見してみてください。