アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]
冬鳥 まだ、います。
2017年04月27日こんにちは、仙台自然保護官事務所の鎌田です。
伊豆沼では、毎年、2月中旬からマガンはどんどん北帰行し、「そして誰もいなくなった。」となるはずなのです。
昨日の伊豆沼周辺の水田の光景です。マガンの群れです。間もなく5月になろうとしているこの季節に、600羽~700羽が田んぼに集まっています。今頃は、伊豆沼など宮城県北部で越冬したマガンたちは、北海道の宮島沼で過ごしているはずで、5月になるとさらに北へ旅立つ予定です。
約18万羽が越冬するので、一斉に飛び立ったとしても、親とはぐれる幼鳥は毎年出ています。はぐれた幼鳥を引率する成鳥もおり、気が付くと、「あれっ、いなくなったね。」となり無事に北帰行するはず、それは、遅くとも4月中旬位までと思っていました。ところが、4月下旬になっても、600~700羽がまだいるのです。
先週より増えているので、びっくりしたのです。考えてみると、あちこちに散らばっていた小グループが伊豆沼に集結し、成鳥のマガンが北帰行の促しをして、本当に旅立つ寸前なのかもしれません。
こちらは、田んぼに水を入れだしています。その中にも、マガンがいます。数えると15羽が休んだり、餌を探したりしています。こちらは、北帰行ができないかもしれないグループ、羽根をけがしたか、私たちには見えない傷があるのかもしれません。家族愛の強いマガンは、飛べないマガンに家族が寄り添っているかもしれません。ここで心配なのは、農家さんの田植えの邪魔をするのではないか、心配の種です。
このオオハクチョウは、人が近づいても逃げない個体、一般の方々に気にかけてもらっているようです。自力で泳ぐことができるので、水辺を移動しながら、餌を食べ暮らしています。田植えが始まると、田んぼに出かけて、苗を踏むのではないか、農家さんに迷惑をかけないか心配です。
様々な理由を持って、冬鳥がまだいます。
今期冬鳥シーズンは、鳥インフルエンザの発生が多発したことから、宮城県北部の越冬地では、ハラハラドキドキして見守ってきました。その分、冬の伊豆沼、蕪栗沼・周辺水田、化女沼の様子を十分にお伝えできなかったなと冬を振り返り、春からは、もう少し鳥獣保護区の情報をお伝えできたらと思っております。