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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

蒲生干潟のお客さま

2009年12月09日
仙台
このところ、マガンやヒシクイの情報を流してましたので、久しぶりに仙台海浜の情報も報告いたします。

10月末の情報では蒲生干潟周辺に、ミヤコドリが来ているということでしたが、巡視の時点では、11月中も私は確認できずにいましたので、もういないのかと思っていたところ、偶然遭遇することができました。それは12月のはじめのことでした。

七北田川の河口の巡視をしているときのことでした。双眼鏡で対岸を覗いたら、マガモやカルガモしかいないか。あらっ?白黒、嘴が真っ赤!もしかして、あなたは「ミヤコドリさん?」、一生懸命、嘴を砂の中に差し込み餌を捕っている様子、もう少し傍に寄って観察できたらと思い、移動しました。でも、ぐるっと回るので時間が掛かるし、今日は制札の点検をと、400ミリのレンズも持ってきてないし、チャンスなのに、私の心と機材の準備は今ひとつ。それでも、ジリジリと傍に近寄ってみました。



近づいた時、ミヤコドリは依然として、せっせ、せっせと嘴を砂の中に差し込み貝やゴカイをパクッと食し、たまに「キリーッ、ピリーッ」と鳴き声がしていました。



もう少し近づいてみました。隣りにいるのは、ズグロカモメ、一瞬、ユリカモメかなと思ったのですが、嘴が黒いので間違いなし!ミヤコドリもズグロカモメも越冬で日本に渡ってきています。東北地方では毎年飛来情報はあるのですが、数は少ないようです。

さらに観察してみました。


ミヤコドリの目を観察、図鑑では目の色と嘴が赤いと成鳥、アップで見てみるとこの個体は若なのではないか? 
ミヤコドリと私の距離は十分離れていたのですが、海岸部で隠れるところもない、私の姿は見えているのに逃げるわけでもないし、これは猛禽類に狙われる可能性もあるかな?観察を続けていると心配が増えていきます。
何事もなく、無事に成鳥になてくれればと願いつつ、次回の巡視でも、観察したいものです。