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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

今後のために

2010年06月29日
仙台
6月中旬、大規模なクリーンアップキャンペーンが行われました。会場となったのは、蒲生特別保護区のある海岸です。毎年開催され、大勢が海岸のゴミを拾い集め、どんなゴミが多いか調査をしたり、野生生物に影響を与えるようなゴミはないかなど、参加した方々は少しでもゴミのことを考えさせられるような活動です。これは、ぜひ参加してみたいと思い私も参加しました。

今回のクリーンアップキャンペーンでひとつ、誤算があったのでそれを今後のために活かしたいと思い報告します。

蒲生海岸は、サーフィンを楽しむ人々や、潮干狩りを楽しむ人々、自然観察を楽しむ人々と多目的な利用者のために、新しく駐車場が完成し、クリーンアップキャンペーンの新たな集合場所としてはじめての開催でした。
集合には、車の誘導、参加者の受付、ゴミ袋・調査票の配布など、大勢のスタッフが手慣れた行動で、参加者は新たな集合場所に集まっていました。

これまでの集合場所は、七北田川の河口近くの「日和山」という小高い山のある場所の蒲生干潟の南側でしたので、ゴミを拾いながらの調査は、河口沿いに海岸を北上するような人の動きだったのですが、今回は北側から南下するような人の動きとなりました。そこで、予想できなかったことが起きてしまいました。






諸注意を聞いて参加者の皆さんはそれぞれグループ、家族単位で活動をはじめたのですが、そのとき、「あっこれは大変!」と思ったのです。写真の奥に見える杭の向うは特別保護区、砂浜のゴミだけではなく、ゴミを見つけると、ドンドン波打ち際より、干潟に近い砂丘植物が多く生育している方へと歩いているではありませんか。
大声の注意喚起ができる状態ではなくなっていたのです。


空では、ヒバリがパニック!、干潟のヨシ原でもオオヨシキリがパニック!
ゴミに夢中で、そこで繁殖している野鳥への配慮を忘れていました。
「野鳥の皆さん、ごめんなさい!」地元の保護団体の方々もビックリ、主催事務局の方々もビックリの事態となってしまいました。(心を痛める結果でした。)


ゴミは沢山回収され、「善かった!良かった!」でしたが、ゴミに夢中になった時の人々の行動は、自然とゴミに向かって動きます。その結果、大勢の人々が野鳥の繁殖期の繁殖場所に知らず知らずですが入り込むこととなっていたのです。

折角、「調べるクリーンアップ」をして、魚類やウミガメや水鳥たちが私たち人間のゴミで飲み込み被害やテグスなどの絡まる被害を少しでも防ぎたいという優しい気持ちで始めてるのですから、ゴミを拾う場所の環境への配慮も忘れないようにしなければなりません。

クリーンアップキャンペーン終了後、主催事務局の方々へは、このことを報告し、次回に活かしてほしいので、情況説明をし、理解していただきました。

私たちはこれからも、いろいろな形で地元の行事に参加する機会があります。だからこそ、反省し、今後に活かしていきたいと思っています。