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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

角ぐむ葦

2010年04月26日
仙台
 4月下旬、仙台周辺もやっと桜の見ごろを迎えています。今月は特に寒い日が続き、桜が開花してから満開になるまで随分時間がかかっているようで、待ち望んでいた鳥たちは花をむさぼるように桜の木々を訪問しているようです。

 今日は、3月20日に野焼きが行われた蕪栗沼の現在を紹介いたします。



野焼きは蕪栗沼の環境保全のために行われ、枯れたヨシの堆積を減らし陸地化を防ぎ、灰は栄養となり、かつて生育していた植物の種子の目覚めも促します。
高さ2mを超すヨシを飲み込むように炎が包み、焼け野原となりました。



1ヶ月が過ぎ、野焼きしたところはどのような変化があるのでしょうか。歩いてみました。遠くに柔らかな緑の絨毯が、その中にはノウルシやコオニタビラコなどが顔を出し始めていました。


「早春賦」の歌詞3番に「氷が解け去り、葦が角ぐむ」とありますが、そのとおりに、ここ蕪栗沼でもヨシが芽を出していました。

角ぐむとは、ヨシ、ススキ、マコモなどの角のような芽が出る様を現わしています。
野焼きの後のヨシは、特に太く頑丈に成長するので、これから訪れるオオヨシキリも安心して、ヨシに巣を架け子育てをすることでしょう。

三島江に角ぐみわたる葦の根のひとよのほどに春めきにけり
   『後拾遺集』春上・42
昔の人はこのヨシでも春を感じていたようですが、現代でも蕪栗沼や湿地に関わる人々も、角ぐむヨシに春を感じるのでしょうか。