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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

厳冬期の伊豆沼から

2021年01月06日
仙台 鎌田 和子

あけましておめでとうございます。

仙台自然保護官事務所の鎌田が今年も宮城県内の国指定鳥獣保護区の情報をお伝えいたしますので、よろしくお願いいたします。

 

 野鳥の高病原性鳥インフルエンザの発生抑制と被害の最小化に努めるため、環境省の取り組みの一環として毎年、10月から5月頃まで全国51ヵ所の冬の渡り鳥の飛来地で行われている糞便調査と採水調査を国指定伊豆沼鳥獣保護区でも実施しています。

 東北地方環境事務所野生生物課の濱田係長と一緒に糞便調査と採水調査の行っていますが、写真は、12月の大雪の日の糞便探しの様子、その翌日は凍てつく伊豆沼の水を採取しています。この場を借りて、濱田さんありがとう。この時の糞便も水も、陰性でした。水鳥たちの元気な証拠かな?

 糞便調査のほかに渡り鳥飛来状況調査を実施しています。伊豆沼鳥獣保護区内にどんな水鳥が飛来していて、どの位飛来しているのか、また弱った個体がいないか、冬の渡り鳥が北に帰るまで、国指定伊豆沼鳥獣保護区の管理員のお二人とアクティブレンジャーが月に3回調査しています。

 お正月の風物詩

 国指定伊豆沼鳥獣保護区はラムサール条約湿地でもあり、宮城県栗原市、登米市の観光地でもあります。

冬のお楽しみは、親子で、カップルで、ご家族で、みんながハクチョウやオナガガモにエサを与えて間近に観察できることです。下の写真はオナガガモが奪い合うようにしている姿を見て、犇めく(ひしめく)丑年に合わせて牛が三つ、密だなと思って撮影してみました。

 ここで、お願いがあります。集まってくる鳥たちを間近で見ることで、小さいお子さんがつかまえることができるのではないかと追いかけているシーンを度々みかけます。鳥がおどろいてしまうのでそっと観察していね。野生の生きものである野鳥もばい菌を持っているかもしれないので、直接エサを手からエサを食べるような与え方を避けてくださいね。お帰りの際は、手指の消毒と、えさを求めて集まる鳥たちの足元には鳥の糞がいっぱいです。靴底の消毒も忘れずに!

 

厳冬の伊豆沼

 12月から次々と寒波が訪れ、伊豆沼では9割結氷しています。よく見ていると、純白なハクチョウとちょっと茶髪のハクチョウをみかけることがあります。もしかすると、日本海側のもっと厳しい寒さから伊豆沼に避難してきた鳥たちと伊豆沼を越冬地としているハクチョウが混ざっているかもしれません。良く観察してみてください。

 結氷した伊豆沼、解放水面にハクチョウやカモたちが集まります。氷上の足跡はハクチョウが歩いている証拠、キツネなどの動物が獲物を狙ってるかもしれません。

 下の写真は、登米市側の伊豆沼前沼の駐車場でのオオハクチョウの行進、観察にお越しの際は、交通事故が起こらないよう、ご注意願います。

いろんな危険が待っています。

 

田んぼのオオヒシクイ

 いつもは沼で過ごすことの多いオオヒシクイですが、沼が結氷したため、伊豆沼の周辺の田んぼのあぜなどに集まり、休んだり、雑草を食べたりして過ごしている様子を観察することができます。

厳冬期ならではの伊豆沼に訪れてみませんか。