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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

アジア国立公園会議 仙台海浜エクスカーション

2013年12月06日
仙台
東日本大震災から1000日が過ぎました。震災後の仙台海浜、いろんなことがあったなと思いふりかえりとなった日が11月16日でした。

11月13日から17日に開催されたアジア国立公園会議では、16日に被災地である三陸復興国立公園、鳥獣保護区の取り組みを視察する日が設けられ、私たち仙台自然保護官事務所では、八戸種差・宮古浄土ヶ浜・気仙沼大島・仙台海浜4つのコースの中の一つとして仙台海浜鳥獣保護区蒲生特別保護地区と井土浦特別保護地区の2箇所で解説を行いました。


井土浦特別保護地区に隣接する海岸公園冒険広場では、東北地方環境事務所職員の太田と遠矢レンジャーがガイドを務めました。震災後の井土浦の海岸や干潟の変化、取組などを解説。

写真の後方は震災後は震災がれきの山でしたが、すでに更地となり、がれき処理の完了間近な状況が見えます。海外からの皆さんには、通訳を介して伝えられています。

15.9mの高さここ海岸公園冒険広場では、避難した5名と2匹の犬が助かりました。

蒲生特別保護地区では、生物多様センター職員の佐藤と、私鎌田がガイドをしました。こちらでは、環境省で調査したデータ「東日本大震災が沿岸地域の自然環境に及ぼした影響」(概要版)を通して、蒲生干潟の変化を佐藤が解説しました。

「東日本大震災が沿岸地域の自然環境に及ぼした影響」(概要版)は日本語版と英語版が用意してあります。


蒲生干潟の変化や鳥類については、鎌田が解説。私たちアクティブレンジャーは、インタープリターとして自然解説をすることがよくありますが、この時ばかりは、自然解説(インタープリテーション)を通訳(インタープリテーション)していただき、エクスカーション参加者に現状を伝えることができました。震災直後、鳥類のモニタリングをはじめたころは、望遠鏡やカメラをさげて巡視の際、警察や消防の方々とすれ違う時の心苦しさ、心境なども伝えました。供養塔の場所では、参加者の皆さんが合掌する場面もありました。

今回の会議では、写真展とエクスカーションで地元を紹介したのですが、ガイド終了後に通訳の方を通じていただいた言葉があります。それは、「ローカルレンジャー、ありがとう。がんばって!」でした。アクティブレンジャーとして働いている私たちにとってうれしい名称をいただいたように感じました。地元とレンジャーをつなぐ仕事としては、アクティブでもありますが、「ローカルレンジャー」は心に響き、これからの励みとなりました。