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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

蒲生干潟のいきもの

2009年07月13日
仙台
蒲生干潟のいきものは前回は6月17日に紹介いたしましたがその後をお知らせいたします。

蒲生干潟を取り巻く環境をまずはお話ししておきますね。
干潟と砂浜を見下ろすことができる小高い山「日和山」は干潟に集まるシギ、サギ類を観察するには恰好な場所、しかも地元の人たちが天気の良い時にはベンチでくつろいでいますので、いろいろな情報がいただけます。

砂浜には海浜植物が生育し、その中ではヒバリが春には繁殖しています。かつては砂浜でコアジサシの繁殖も確認されていました。残念ですが現在は確認されていません。そして波打ち際は釣りやサーフィンを楽しむ人々がいます。

干潟の周りのヨシ原には初夏から夏オオヨシキリが賑やかに囀っています。このヨシはオールシーズン、水鳥たちの生活の目隠し(スクリーン)の役割を果たしています。

干潟では、季節によっては潮干狩りを楽しむ人も見られます。ちょっと心配なのは人が干潟に入っていると、シギ、サギ類は餌採りに入りたくても遠慮しているかもしれません。

松林と竹林も少しあります。アオジやカワラヒワ、オナガも観察できます。そこはサギの休み場でもあります。その林の足元ではびっくりなのが前回よりも増えていたカニたちです。

クロベンケイガニです。林の中ではワサワサというかウジャウジャというかとにかくいっぱいいて踏んでしまうのではないかと思うくらいです。そのカニの餌はなんだろうか?疑問です。当然、ヨシ原と泥の部分もカニで埋め尽くされています。春にはこんなにカニと出会えるとは・・・・・思ってもみませんでした。


テリハノイバラは前にも紹介しましたが砂浜のハマナス群落の花の終盤から入れ替わりに満開になりました。林の中では6月中旬から咲いていましたから次々と咲き花期が長い花のようです。


ちょっと湿った草地では、イヌゴマが見られます。よく見ると茎には下向きの刺があり不用意に触ると痛い思いをするかもしれません。

この夏場が蒲生干潟の一番鳥の少ないシーズンのようですが、それを補うかのように別のいきものが私たちを迎えてくれています。しかもいろんな環境、顔を見せてくれます。