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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

バス・バスターズ 今年も頑張っています!

2018年06月19日
仙台 鎌田 和子

こんにちは、仙台自然保護官事務所の鎌田です。

国指定伊豆沼鳥獣保護区内に位置する伊豆沼では、バス・バスターズの皆さんが毎年、5月から6月下旬にかけて、特定外来生物に指定されているオオクチバス、ブルーギルなどの魚類を駆除しています。何と、今年で14年になります。

参加者の顔ぶれは、当初からのメンバーや今年はじめて参加という方までさまざまです。6月17日は13人で活動しました。

 

継続は力なりとよく言ったもので、今年の活動では、オオクチバス、ブルーギルが本当にごくわずかしか捕れていません。人工産卵床、定置網、三角網すくいとあの手この手で、卵・稚魚・成魚を駆除しています。その成果でしょうか、当初から参加していると、本当に減少したなと実感があります。はじめて参加した方には、そんなに捕れないので、ボランティアのやりがいにも影響があると思います。駆除しているのだから、減少してあたりまえと思われますが、そこは生きもの、減少したからと手を抜くと、リバウンドがあったり、試行錯誤しながらここまでたどり着いたのだと思います。また、タナゴの仲間やハゼの仲間、テナガエビなどの在来生物は回復傾向にあります。

 

 

沼の中をみんなで、人工産卵床への産卵状況を確認しながら、三角網で稚魚すくいをおよそ1㎞にわたって行っています。

 

 

人工産卵床を沼から引き揚げて確認作業、石を敷き詰めて沈めているのですが、引き上げた時中央部分に石がありません。石にも藻が付着していません。これは、オオクチバスが産卵場として尾びれで産卵床を整えている証拠です。

 

次の人工産卵床を確認したら、卵が産みつけられていました。まるで子持ち昆布のようです。

150基の人工産卵床の内、今回は6基で確認されました。今年は低水温、高水位や、天候にも左右され、産卵期が例年よりずれ込んでいるようです。三角網による稚魚すくいの成果は、オオクチバス13匹、ブルーギルの稚魚3匹でした。参加人数と同数でしたので、参加者が増えれば、もう少し捕ることができたのかもしれません。それでも、今年度の活動日で、産卵の確認が最多の日となりました。

 

バス・バスターズは、公益財団法人宮城県伊豆沼・内沼環境保全財団の方々を中心に、NPOの方や学生、一般の方まで幅広くのメンバーで構成され、地元から山形県や福島県からも参加されています。これからも、多くの皆さんの協力の元、伊豆沼に多くの在来魚が蘇る日を見守りたいと思います。

 

バス・バスターズに参加してみたい方は、公益財団法人宮城県伊豆沼・内沼環境保全財団までお問い合わせください。

 

http://izunuma.org/2_3.html

 

 

「環境省レンジャー写真展2018 開催のお知らせ」

宮城県仙台市での開催は、「セルコホームズーパラダイス八木山」仙台市八木山動物公園ビジターセンターにおいて、6月19日から7月16日まで開催しております(休園日を除く)。皆さまのご来場をお待ちしております。