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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

現在北上中

2010年08月20日
仙台
仙台では梅雨明け後、30度を超える日が30日以上続いていましたが、やっと途切れ、少しだけ涼しい風が吹くようになりました。

化女沼の話題が少ないと自分でも感じていたので、化女沼での出会いを紹介します。
東北自動車道長者原サービスエリアからすぐの国指定鳥獣保護区ですが、皆さんのイメージは、「ラムサール登録湿地」冬の渡り鳥、亜種ヒシクイ、マガンの塒としての存在と、夏はブラックバス、ブルーギルの釣り場の方が強いかも知れません。そのイメージから少しでも変わりいろんな生き物の棲む世界と思えるように。



この季節、ハスの花で華やかになり、周辺では、ギンヤンマ、ウチワヤンマ、チョウトンボ、ショウジョウトンボが飛び交い、チョウの仲間では、コムラサキ、コミスジ、ミヤマカラスアゲハ、ジャノメチョウなどが舞っています。その中で、私の目が捉えたのは、シジミチョウなんだけど、モンシロチョウ程の大きさ、翅を閉じると銀色というか、乾いた白っぽい石と間違いそう!

近寄るとすぐに舞いあがり、中々写真を撮らせてくれません。わかりますか?写真右側の石ころの上に翅を閉じて停まりました。

あっ!表は赤い紋、ウラギンシジミ♂(夏型)でした。図鑑でしか見たことがなかったのです。食草はマメ科クズ、フジ、クララなどですが、南方系のチョウです。調べてみると、1991年に宮城県で確認され太平洋側北限となっていたり、岩手県でも確認されたとか、日本海側では山形県で確認されたとか、現在の気候と一致するかのように北上中のチョウでした。

今年9月25日には、「化女沼秋の自然観察会」を開催予定、内容はチョウやトンボの観察を通して、生物多様性を実感します。詳しくは近日中にまたお知らせいたします。