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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

波に集うものたち

2010年03月04日
仙台
先日の大津波では養殖業の方々には大きな被害がありました。お見舞い申し上げます。仙台海浜鳥獣保護区は巡視の結果、被害はありませんでした。それでも、沖に目を向けると、波間にいつもより多くの海藻が見えたのでおそらく海中では変化があったのでしょう。

警報、注意報が解除して、真っ先に楽しんでいたのはサーファーのみなさんでした。双眼鏡で、蒲生干潟から海岸、波打ち際、沖へと見ていると、黒いサーファー、黄色いブイ、黒い浮遊物(海藻)?、オヤッ!黒い群れが波間で見え隠れしています。双眼鏡では限界。望遠鏡の倍率を上げて見てみてみると、それはクロガモ・ビロードキンクロの群れでした。あまりにも遠くて証拠写真は撮れませんでしたが、ちょっと嬉しい記録となりました。

クロガモやビロードキンクロは海ガモ(潜水ガモ)で潜っては貝などを食べているカモの仲間、特にビロードキンクロは近年数が減少してきているそうです。実は、私は初めて見たので心躍る気持ちでした。


蒲生干潟から南下した海岸では、写真の近さで観察することができました。それでもこの程度なのですが、左上の黒いシルエットはクロガモ、中央の波が引いているところにはシギチドリの仲間です。


クロガモは、ピュー、ピューと海女さんの磯笛を思わせる声で鳴き交わし、1羽が潜ると次から次と潜水、浮上してくるのですが、すぐまた潜ります。波間に見え隠れし、観察している私が船酔いしそう。いったい何羽いるか写真では数えることができても、現地では把握しにくい水鳥です。波間にいるのももしかしてクロガモにとっては安全のためかな?



こちらは、ハマシギ、ミユビシギ、シロチドリの群れでした。波打ち際をチョコチョコと、波に遊んでいるように見えるのですが、波に洗われる砂浜で甲殻類の稚貝や幼生、小動物をせっせと採食しているのです。水浴びも!

サーファーは波を楽しみ、クロガモやシギチドリは生きていくために波はありがたいようです。どうみても、波が大好きに見えるのです。