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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

国際空港の蒲生海岸

2012年09月05日
仙台
こんにちは!仙台自然保護官事務所の鎌田です。
仙台海浜鳥獣保護区もシギ・チドリ類の渡りの季節となりましたので報告いたします。

間もなく震災から1年6ヶ月になりますが、津波や、干潟の水質が目まぐるしく変化し、台風など多くの試練があった中、今年秋も、シギ・チドリの仲間にここ蒲生海岸は必要なところになるのか心配していました。
朗報です。

8月下旬になり、シギ・チドリ類の渡りが本格化してきました。調査では、オオソリハシシギ、チュウシャクシギ、トウネン、ミユビシギ、キアシシギ、キリアイ、ソリハシシギ、シロチドリ、メダイチドリなどが確認されています。

オオソリハシシギとキアシシギ8月30日撮影

蒲生干潟を眺めるチュウシャクシギ9月2日撮影

オオタカに追われて群れ飛ぶトウネン8月30日撮影

波打ち際で採餌するミユビシギ9月2日撮影(小さい写真ですみません。)
「蒲生を守る会」の皆さんが行っているセンサスに同行した際、写真の右下の赤丸のミユビシギの右脚にオレンジ色と黄色のフラッグが装着されているのを確認!調べてみると、何と、南オーストラリア州で装着したものでした。
この日、トウネン、ミユビシギ、キリアイ、オオソリハシシギ、チュウシャクシギなどを次々に確認していて、いつになく目元、口元がほころび、笑顔の広がるセンサスでしたが、さらに皆さんの心にも、私自身も、蒲生海岸は国際空港であり、長旅をする渡り鳥にとって重要な場所であることを確認したセンサスとなりました。
蒲生干潟、蒲生海岸を訪れる皆様へ
サーフィン、水遊び、釣りに夢中で、気が付かないこともあるかもしれませんが、皆さんの遊んでいるすぐそこにも、シギ・チドリ類が餌を求めたり、休憩のためいるかもしれません。ちょっと見回して観てください。もし、観察できたら、かわいい姿を観察し、小さな体で長旅をしていること、ちょっと頭の隅っこに置いて優しく見守ってくださいね。