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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

東北地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。
アクティブ・レンジャーとは、自然保護官の補佐役として、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説などの業務を担う環境省の職員です。管内には、十和田八幡平、三陸復興、磐梯朝日国立公園があります。

伊豆沼のバス・バスターズ

2022年06月23日
仙台

 こんにちは、仙台自然保護官事務所の鎌田です。

 3年ぶりに行われたバス・バスターズに参加してきました。この日は今年度の活動の最終回、24名の参加、はじめて方から、親子、個人、常連の自然保護団体で活動されている方など様々ですが、みんなの気持ちは在来魚を守るその活動に賛同されている方々です。

 久々なので、ちょっとだけバス・バスターズについて説明します。

バス・バスターズが行われているのは国指定伊豆沼鳥獣保護区の伊豆沼、バスとはオオクチバス、ブラックバスともいわれる特定外来生物の魚です。1996年ごろからオオクチバスが増え在来魚を餌とするため、絶滅危惧種ⅠA類のゼニタナゴなど壊滅的な被害を受けるようになり、伊豆沼漁業協同組合が2001年に駆除活動をはじめ、2004年にはボランティアによるバス・バスターズが結成しました。公益財団法人宮城県伊豆沼・内沼環境保全財団が中心となり、毎年5月から6月の日曜日にバス・バスターズの活動を実施しています。

 

 今年の最終回の様子です。

 

 参加者は三角網で沼に岸沿いにバスの稚魚がいないか、ゼニタナゴが復活していないか、すくっては確認し、フナ、モツゴ、タモロコなどの稚魚は静かに沼に戻しながら進んで行きます。初めての参加の方は、これは何、これはと確認しながら、「見つけた!」何となく嬉しそうな声が聞こえてきました。

 

 何を見つけたかというと、左の写真の容器にはゼニタナゴの稚魚、右写真はサデ網ですくったオオクチバスの成魚です。対照的な「見つけた!」です。これまでの地道な活動でオオクチバスが減少してきたおかげでゼニタナゴの復活に立ち合い、また一方では、逃してはならないオオクチバスの捕獲となりました。

 


 伊豆沼方式といわれる人工産卵床にはブルーギルの産卵が確認され、右写真はオオクチバス、目玉がいっぱいですが孵化したばかりの仔魚を三角網で捕獲、これぞ一網打尽です。

 

 参加者のほとんどの方々が三角網で捕獲できた約2㎝のオオクチバス、右写真は定置網にかかった魚です。小さな魚に交じってニョロニョロしていたのは天然ウナギです。撮影後自ら沼へ帰っていきました。蒲焼を思わず想像していました。

 2㎝のオオクチバスを捕獲したとき、長年参加されている淡水魚の専門家の言葉は、「大きいサイズの捕獲も大事だが、この小さいサイズが沼の在来魚の稚魚を食べてしまうから、だから稚魚すくいが大切なんだよ。」

そうなんです。この活動は、人工産卵床で卵や仔魚、サデ網で稚魚をすくい、そして成魚を駆除することで、沼の在来魚の復活につながるのです。

 

 この日の成果は、バスターズ通信Vol.4によると、オオクチバスの稚魚100匹、仔魚354匹、成魚1匹、ブルーギルの卵と10センチ程度の魚を捕獲ができたそうです。気になる在来魚では、ゼニタナゴの稚魚が4匹確認され、4ヶ所に設置した定置網には、ウナギ、ライギョ、フナ、モツゴ、タモロコ、タイリクバラタナゴ、メダカ、ジュズカケハゼ、ヨシノボリ、ウキゴリ、チュウゴクスジエビなどが確認されました。詳しくは、下記のホームページからご覧ください。

 公益財団法人宮城県伊豆沼・内沼環境保全財団 (izunuma.org)

 

 

 バス・バスターズの誕生と同じ2004年度から、東北地方環境事務所でも、伊豆沼・内沼でオオクチバス等の防除事業を開始しています。当事務所の事業や宮城県、公益財団法人宮城県伊豆沼・内沼環境保全財団、保護団体やボランティアなどの多くの人々の活動により、オオクチバスやブルーギルが減少し低密度管理ができるまでになりました。それでもまだまだ防除の力は抜けないのです。

 

今年のバス・バスターズに参加された皆様、ご協力ありがとうございました。また、来年、伊豆沼でお会いできるのを楽しみにしております。