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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

蕪栗沼の春と「愛鳥週間」

2024年05月10日
仙台 鎌田 和子
こんにちは、仙台自然保護官事務所の鎌田です。
国指定蕪栗沼・周辺水田鳥獣保護区の春の様子をお伝えします。
蕪栗沼のハマダイコンの群落
蕪栗沼の周辺では、道路や堤防の法面が薄いピンクに染まっていたらハマダイコンの花です。丁度GW前後が見ごろでした。
田んぼに水が入り始めました
5月初めの田んぼには、次から次と水が入りはじめます。
水が入った田んぼにマガンの群れ
今年もやっぱり残っていたマガンの群れです。150~180羽程いるようです。これから田植えがはじまりますから、苗が踏まれないか心配です。マガンの皆さん、早く帰りましょうね。
マガンの若鳥達は(写真で見ると、胸にまだら模様の無いのが若鳥です)家族と一斉に北帰行をするのですが、迷子になり一緒に帰れずに残っている個体が毎年おります。多いときは500羽位、今回はそれよりは少なく、200羽未満が群れになって蕪栗沼周辺で現在過ごしています。
このような群れは、田植えの頃まで確認され、田んぼと沼を行き来しています。そしていつの間にか、引率してくれる成鳥(見守り役の独身の成鳥)と共に、遅い北帰行をするようです。

白鳥地区と蕪栗沼本体を見てみました。望遠鏡を覗くと、コガモ、ハシビロガモ、オナガガモ、まだまだ、北上中のカモ達の休憩場所になっています。
白鳥地区の水面にはカモ達が休憩中
白鳥地区の水面には休憩中のカモ達がまだ見られます。
蕪栗沼本体はこの次期陸地化
川の一部でもある蕪栗沼は、この時期はほぼ陸地化しており、少ない水面にはシギ類が見られました。冬の賑わいがうそのようです。
4月26日の蕪栗沼本体の南側のヨシ原
4月26日の蕪栗沼本体の南側のヨシ原では、枯ヨシの合間から若いヨシがちらほら生えてきていました。
5月1日の蕪栗沼本地の南側のヨシ原
たった1週間もしない内にヨシ原は、緑の草原に変化していました。すでに草丈は70㎝位になり、オオヨシキリの声も聞こえだしていました。
蕪栗沼のヨシ原に広がるノウルシの群落
蕪栗沼のヨシが成長する前に見たい秘密の花園、ノウルシの群落です。 日に日に成長するヨシに埋もれて見えなくなります。
蕪栗沼の春は、あっという間に初夏の様子に切り替わろうとしています。すでに、ウグイスやオオヨシキリなどの野鳥達は、繁殖のシーズンを迎えています。

「愛鳥週間」について
5月10日から5月16日までは、愛鳥週間、バードウィークです。この機会に、野鳥を通して、環境や生物多様性の保全の大切さを学び、保護・保全に向けた行動を起こしてみるのはいかがでしょうか。
鳥の声に耳を傾ける。野鳥観察を始める。清掃活動に参加してみる。できることから始めてみませんか。

次のような行事もあります。
「全国野鳥保護のつどい」は、愛鳥週間(毎年5月10日から16日までの1週間)の中心的行事として、令和6年5月12日(日)に虎ノ門ヒルズフォーラム(東京都港区)において、常陸宮妃殿下の御臨席の下、開催されます。 本つどいでは、野生生物保護に関し特に顕著な功績のあった個人、学校及び団体に対し、その功績をたたえるため、(公財)日本鳥類保護連盟総裁賞、環境大臣賞等が授与されます。
今回、東北からも環境大臣賞、自然環境局長賞、自然環境局長感謝状を受賞される方々がおられますので、下記、環境省の報道発表をご覧ください。

https://www.env.go.jp/press/press_03113.html

受賞される皆様、おめでとうございます。