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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

蒲生干潟のいきもの「流れ着いたもの」

2011年09月09日
仙台
東日本大震災から間もなく6ヶ月になります。1000年に一度の体験、蒲生干潟の変化は訪れる度にビックリさせられています。

9月1日、雨の中の調査から報告します。



蒲生干潟全景を向洋緑地公園から撮影、8月9日には辛うじて流れていた七北田川も8月12日には河口部は閉塞、南蒲生まで砂浜が続いているようになってしまいました。


台風の影響で波は少し高く、それを待っていたかのようにトウネンの群れが忙しく餌取り、波と戯れていました。この日観察できたシギチ類は7種、約200羽を確認、雨でカメラは出せず、双眼鏡も滴にかすむという悪条件でも、シギチ類にとっては好天気だったようです。


8月はオカヒジキ、ツルナ確認を報告しましたが、漂着物が散乱する中、オカヒジキ、ツルナを何株も確認することができ、はじめは「ヨシ!」と思ったのですが、昨年までの調査と照らし合わせるとツルナは特に震災後に入ってきた感じがします。漂流物がストッパーとなりツルナの種子がどこからか流されてきて留まったと考えられるのです。
植物だけではなく、貝やゴカイの仲間でも震災前には確認されていなかった種類で、震災後に確認されたというものが多くあるかもしれません。また、震災前には確認されていてその後確認できない場合も当然あります。これからもいろんな場合を考慮しながら、1000年に一度の成り行きを観ていきます。