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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

蕪栗沼の飛び立ち・化女沼のねぐら入り

2023年02月13日
仙台 鎌田 和子
こんにちは、仙台自然保護官事務所の鎌田です。
今シーズンのラストチャンスの飛び立ちとねぐら入りを観察できました。
先ずは、蕪栗沼の飛び立ちです。渡り始めの11月~12月は、日が昇る前から餌を求めて田んぼに出かけていきます。年が明けて、もう2月、ガン類は早く、北に帰りたいのでせっせと餌を食べて、北帰行の準備をしています。大寒の頃から凍てつくようになると、日の出とともに出かける組と、もう少しゆっくりねぐらで過ごしてから出かける時差出勤をするような感じがします。
蕪栗沼のマガンの飛び立ち
散発的な飛び立ちが始まりました。飛び立ったのは蕪栗沼本体からの大きな群れ、手前の氷上の群れは、いつまで経っても中々飛び立ちませんでした。
日の出を迎えた蕪栗沼・周辺水田
蕪栗沼から飛び立ったマガンの群れは餌を求めて周辺の田んぼに降り始めました。太陽がまぶしい光の中に黒くマガンの群れが見えます。 この日は、太陽柱(サンピラー)という大気光学現象が起きていました。
次は、化女沼のねぐら入りです。ここ数年で化女沼のねぐら入りに変化がありました。それは、シジュウカラガンの羽数回復で1万羽を超えるようになり、12月下旬ごろから、「ほぼシジュウカラガンのねぐら入り」の状態になりました。マガンも利用していますが、ここならではのねぐら入りを観察できます。
ここで、ちょっとした夕暮れ時の見分け方です。
マガンの雁行はマガン的距離
夕暮れ時に空を見上げて、美しいカギ型(V字編隊)やサオ型で飛行しますが1羽1羽の距離はゆったりとしています。
シジュウカラガンの雁行はシジュウカラガン的距離
シジュウカラガンもマガン同様に群れで飛行しますが、ねぐら入りでの見分け方として見ると、1羽1羽の距離が近くぶつかりそうなくらい密になることが多いのです。
ダム提体から化女沼を望む
沼の奥の氷上に黒く見えるのはマガンの群れ、手前の水面には、オナガガモやマガモも見られますが、水面がはっきり見えています。
四方八方から降りてくるガン類
ねぐら入りのピークを迎えると、四方八方からガン類が化女沼をめがけて帰ってきます。スマホで動画を撮影しているとどちらを向いたら良いか迷い、グルグル目が回りそうなくらいです。
ねぐら入りが落ち着いた頃のダム提体から
沼に映る明かりは、東北自動車道長者原SAです。水面には多くのシジュウカラガンとマガンがねぐら入りし、その鳴き声はにぎやかにおしゃべりをしているように響いてきます。
この日の化女沼のねぐら入りでは、感覚的な数ですが、シジュウカラガン1万羽以上、マガンは7千羽位でした。北帰行前のラストチャンスとなりますので、観察される方は天気に合わせてお早目にどうぞ。
 
東北地方環境事務所のホームページにパンフレット「かぶくりマガン図鑑」と「ラムサール条約湿地かぶくり沼 かぶくりキッズ」を掲載しましたので、ここで紹介したシジュウカラガンやマガンを確認することができます。URL及びQRコードをどうぞ、ご活用ください。
 
https://tohoku.env.go.jp/wildlife/pamph_2.html
パンフレット「かぶくりマガン図鑑」と「ラムサール条約湿地かぶくり沼 かぶくりキッズ」
パンフレット「かぶくりマガン図鑑」と「ラムサール条約湿地かぶくり沼 かぶくりキッズ」のQRコードです。