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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

蒲生特別保護地区のコクガン

2014年01月15日
仙台
こんにちは!仙台自然保護官事務所の鎌田です。
今年最初の日記は、コクガンの話題からはじめます。

南蒲生海岸、七北田川河口部では、国指定天然記念物でもあるコクガンが越冬します。昨年11月中旬にコクガンの飛来を19羽確認してから、12月17日には25羽確認しました。震災前は多くても10数羽位だったし、震災直前は2羽を確認しただけでしたが、震災後はなぜか飛来数が増えています。
朝9時ごろから11時ごろまで観察してみました。

砂州の岸にはカラーっと並んでいる25羽のコクガン。休息中のものもいますが、家族単位で砂州に陣取って、親が「ここは私たちの陣地よ」といわんばかりにクチバシをつき出し威嚇していたり、仲良しのものは水遊びをしたり、のどかな時間を過ごしています。

水遊びから川の中へと泳ぎだすものもや、まだ寝ているものもいます。突然、首を振り出し、遊んでいたグループが飛び立ちました。


寝ていたグループもしっかり先達に同調して飛び立ちました。


遠くに蜃気楼で浮島状に見える船舶、水平線上数キロ離れた浪間に降りていきました。洋上のノリ養殖場周辺のコクガンの食事処のようです。

この季節の午前中は、このような日課でコクガンは蒲生で越冬しています。洋上の餌場と、七北田川河口の砂州はもってこいの休息場所を提供しているようです。

新年1月12日には、「蒲生を守る会」の皆さんと個体数調査に参加してきたのですが、コクガン38羽(成鳥21羽、幼鳥17羽)を数え、増加が確認されました。

飛来数が増えることだけで喜んではいられません。今年、私たちに何ができるのだろう。海に消えていったコクガンの群れを見送りながら、コクガンが安心して越冬できる環境について考えていました。確実に安心な休息場所になるためには、コクガンがなぜ増加したのかを考える必要があると思います。

今年も、自然情報をお伝えしていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。