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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

蒲生干潟のいきもの

2011年07月11日
仙台
今日で東日本大震災から4ヶ月となりました。昨日もちょっと大きな地震、津波注意報がでましたので、忘れられない3月11日と重ねたことでしょう。

前回は砂について報告しましたが、6月下旬同日の調査の際に出会ったいきものについて報告いたします。

津波で変化している干潟、砂浜を歩いていると、あれだけのダメージを受けているのに、「あっ!生きている。」と感じるのです。


シギ類が水際を歩いて餌取りに夢中ということがよくあるので、どんな餌となるいきものがいるのかと近づいたら、ゴカイの仲間でした。

カニを撮影したかったのですが、直ぐに隠れてしまうので巣穴の写真にしました。主はものすごく小さく白いハサミをうまく使ってダンスをします。そうです、チゴガニでした。昨年夏、「蒲生を守る会」のみなさんの観察会で観察したことを思い出し、ちょっと嬉しくなりました。



こちらは、ゴイサギに似ていますが、「ササゴイ」です。餌となる小魚をじっと見つめていました。(森林R撮影)干潟にはボラやメジナなどの幼魚の群れを多く見られるので、それを狙っていたかも知れません。

本来であれば潮干狩りの季節、大勢が干潟に入ってシギ類と人間がアサリの奪い合いとなるのでしょうが、今年は違います。そして、貝をよく見ると、あるところから模様が違うのが解りますか?この日、見つけたアサリどれも同じように5~6ミリでみぞがありそこから模様が違うのです。そういえば、6月上旬に新聞記事で見たのですがある大学の研究発表とそっくりなので、津波によるストレスで起きた「障害輪」のようです。台風や海水温の変化でも現れることがあるそうです。
ストレス!そうですよね、私たち人間だってかなりストレスを受けているのですから、このようにはっきり解るような現象が他のいきものでもあるかもしれません。