アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]
宮城県北部で北帰行が始まった!
2022年03月07日こんにちは、仙台自然保護官事務所の鎌田です。
長い冬の終わりが見えてきた国指定伊豆沼鳥獣保護区からお伝えします。
毎月実施している渡り鳥飛来状況調査を3月1日に行いました。
まずは2月3日の様子です。オオハクチョウが沢山、沼は凍っています。
そして、3月1日の同じ場所です。オオハクチョウやカモ類の姿はすっかり消えておりました。それでも、望遠鏡をのぞくと、マガモやオナガガモ、コガモなどはまだまだいるのですが、沼の周りから聞こえてきた鳥の声の中には、「ホーホケキョ」ウグイスの声です。丁度、前日からウグイスが地鳴きからさえずりに変わってきたようです。
冬の渡り鳥の代表であるマガンは、2月になってからは、早く北に帰りたくて、何度も秋田方面に雪解けの状況を確認に一っ飛びして、がっがりして帰ってきたようでした。いつもの年であれば、2月の上旬から中旬に北帰行が始まりますが、今年の北帰行は2月25日、26日ごろ、我慢できなくなり北へ向かい出したようです。
宮城県では、11月飛来初期、1月飛来最盛期、3月渡去期のガンカモ類生息調査を行っています。
昭和44年度から始めている歴史ある調査です。下記URLで見ることができます。
<https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/sizenhogo/gankamo-top.html>
北東北、北海道も今年は特別な豪雪でした。北に向かっても、餌にまだありつけない、とどまっても餌はもうほとんどありません。ただ、このところの天候で、雪から雨に、また強風が吹いたりと、雪解けに拍車をかけています。雪解けが始まれば、早いものです。きっと、私たちにはわからない土の匂いや春のはじまりを感じ取って出発したのだろうか。
こちらは、内沼のオナガガモ、いつもだったらガツガツと餌を競ってもらっていたけど、暖かな陽射しにお昼寝、車に引かれるのではと心配になるほど、砂浜に広がっていました。こちらもそろそろ、人からの餌より、パートナーを決めて、北帰行の準備をひそかに進めているはずです。あれだけ人の姿を見れば寄ってきたオナガガモですが、人との距離を置き始める季節です。餌を与えることから卒業して、旅立ちを見守ってみてはいかがでしょうか。