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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

オオクチバス・ブルーギル駆除活動

2011年06月27日
仙台
伊豆沼でのオオクチバスの駆除活動は、震災にもめげずに行われております。昨日の作業に参加してきましたので、その様子をお伝えします。

雨模様で気温も低めでしたが、ウェダーを履いて沼に入ると意外と温かく、水位は腰の高さくらい、そして何よりだったのは、陽ざしが無いため照り返しもなく、楽に作業ができました。

オオクチバスの産卵時期は既に終了、いつもであれば6月下旬で人工産卵床は回収し分解して収納となるのですが、今回の駆除作業の目的は、オオクチバスの人工産卵床をブルーギルが利用していることから、ブルーギルの卵と親を駆除すること、そして、もう一つは、今年既に孵ったオオクチバスの稚魚を網で丹念に掬い駆除することです。

人工産卵床は毎週、回収しては設置を繰り返しています。ブルーギルはオスが卵を見守る習性があるそうで、それを逆手に人工産卵床に産み付けられた卵と親を捕まえることができるのだそうです。昨年に比べて、今年はブルーギルの繁殖が多く確認されていて、(財)宮城県伊豆沼・内沼環境保全財団のみなさん、ボランティアの方々は愕然、、駆除活動の期間を延長してがんばることになりました。


2ヶ所に設置してあった定置網を開けたところです。こんなにオオクチバスの稚魚が、大漁でした。その中から、モツゴやコイ、タナゴの仲間の稚魚はできるだけ逃しました。

中には、網の中で共食いが発生、5㎝にも満たない稚魚ですが姿は成魚そのもの、名前の由来の大口で仲間にガブリ!


また、こちらは、網で魚影を追いながら1匹1匹を掬う作戦上、捕獲したオオクチバスのお腹をチョイと押すと、同等サイズの魚が口からこんにちは!?
何匹かのお腹を押して出てきたのは、モツゴ、エビなど、早くも解け始めている感じ!消化が早いのか、パクパク、在来魚の稚魚が食べられてしまいます。

もし、震災だからといって駆除作業を休んでいたら、来年のこの季節の沼の中は一体どうなっているだろう。昨年までの努力はどうなるのでしょうか。地道な作業ですが、まだまだ駆除作業は続けられます。

伊豆沼を外来魚から守りたいと、この日の参加者は小学生から大人まで約25名、皆さん、お疲れ様でした。