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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

蒲生干潟に鳥獣保護区の標識を設置

2022年11月14日
仙台
こんにちは、仙台自然保護官事務所の鎌田です。
今日は、国指定仙台海浜鳥獣保護区の特別保護地区に指定されている蒲生干潟に標識を設置しましたので、報告します。
 
2011年3月11日東日本大震災で、国指定仙台海浜鳥獣保護区も甚大な被害を受けました。これは蒲生干潟の北側から撮影した震災直後の写真です。干潟の形を留めず、絶望感だけでした。
津波後の蒲生干潟
干潟の在ったところは外海のようになりました。
震災から3年後、日和山に、ここが国指定仙台海浜鳥獣保護区蒲生特別保護地区であることを示す標識を設置しました。
日和山の標識
日本一低い日和山から蒲生干潟を見守る標識です。
震災から11年、蒲生干潟には防潮堤が完成して一段落したところで、この度、蒲生干潟に特別保護地区の標識を3本設置しました。
1本目の標識
七北田川河口付近の河川敷に設置
2本目の標識
導流堤を渡った砂浜に設置
3本目の標識
蒲生干潟の北側の松林跡地に設置
震災後、蒲生干潟では、干潟が消失しました。現在、震災前に似た干潟に戻り、鳥類や底生生物も戻ってきてはいますが、まだまだです。
その中で、冬の渡り鳥のコクガンは多い時には100羽以上が干潟南側の七北田川河口に渡来するようになりました。ここはコクガンが休息や水飲みに使う重要な場所となっています。
また、夏の渡り鳥のコアジサシは、ここ数年、潟前にある砂浜で繁殖行動が確認されるようになりました。そして、留鳥のシロチドリも蒲生海岸で生活し繁殖しています。いずれも環境省レッドリスト絶滅危惧種Ⅱ類の鳥たちです。
私たちにとっても憩いの海岸、干潟ですが、ここは国指定仙台海浜鳥獣保護区蒲生特別保護地区にも指定されています。上手に利用しつつ、みんなで守っていくことができたらと願っています。