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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

蒲生海岸の植物たち 

2013年06月17日
仙台
こんにちは!仙台自然保護官事務所の鎌田です。
この頃仙台の朝は濃霧の日が多く、梅雨に入っているのかなと思う時がよくあります。でも、太平洋の海水温がいつもより低く、そこへ台風3号から熱帯低気圧に変化した暖かい空気が入り込み、濃霧を引き起こしているそうです。

今日は震災から2年3か月が過ぎた仙台海浜鳥獣保護区の様子をお伝えいたします。

冒頭で台風の話をしましたが、その台風(熱帯低気圧)が原因と思われる様子が、次の写真に二つ写っています。
一つは、波打ち際に点々と水鳥が打ち揚げらている様子です。これは、南太平洋から北はアリューシャン列島方面へ北上中のハシボソミズナギドリなのですが、台風に巻き込まれたようです。しばらくは、次から次と海岸に揚がってくるでしょう。(これは毎年のように5月から6月にあることです。)
もう一つは、写真奥を見ると、海から砂浜に濃霧が発生して霞んでいます。
この二つは台風(熱帯低気圧)が原因と思われます。


砂浜には、コウボウシバ(写真上)、コウボウムギ(写真下)の群落が目立つようになりました。

ハマヒルガオもピンクのじゅうたんに(写真上)。
ハママツナはヨシ、アイアシの群落の足元に広がり、震災前の雰囲気に近い場所もあります(写真下)。

この日、一番うれしかったこととしては、蒲生海岸育ちのハマボウフウが咲いていたことです。たった一株なのですが、私にとっては蒲生でのはじめての確認となります。

震災前に比べたら、海岸の植物にとってはまだまだなのですが、自然の力で回復していく様子を見ることができるのは何より、今年一番華やかな季節を向えている蒲生海岸です。