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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

優しく見守って  蒲生干潟のコアジサシ・シロチドリ

2023年05月19日
仙台 鎌田 和子
こんにちは、仙台自然保護官事務所の鎌田です。
国指定仙台海浜鳥獣保護区蒲生特別保護地区内でコアジサシやシロチドリの営巣準備が始まっています。コアジサシ、シロチドリはどちらも環境省レッドリストの絶滅危惧Ⅱ類です。
蒲生干潟上空を飛ぶコアジサシ
蒲生干潟上空を飛ぶコアジサシ(夏鳥)
砂浜を走るシロチドリ
砂浜を走るシロチドリ(留鳥)
東日本大震災後、消失した砂浜が戻ってきた頃からシロチドリはここ蒲生干潟で通年を過ごしています。また、コアジサシは、最後の営巣が確認されたのが1990年でしたが、再び営巣するようになって6年目になります。
シロチドリやコアジサシの卵やヒナは砂地にそっくりのため、蒲生干潟自然再生協議会では、鳥達が特にお気に入りの場所に安心して営巣してもらえるよう見守り看板を設置しています。
今年も協会メンバーの日本野鳥の会宮城県支部、蒲生を守る会の皆様が、営巣地を守るためにご尽力くださいました。看板を設置くださいました皆様ありがとうございました。
コアジサシの看板
コアジサシの繁殖地の見守り看板は、4月8日に日本野鳥の会宮城県支部の皆様が設置しました。
シロチドリの看板
シロチドリの繁殖地の見守り看板は、5月14日に蒲生を守る会の皆様が設置しました。
源関専門官と現地確認
5月に着任した源関専門官と国指定仙台海浜鳥獣保護区の巡視を行いました。蒲生特別保護地区では、鳥類の生息状況等の現地確認を行っています。
この日は、コアジサシ、シロチドリ以外にも、ハマシギ、キョウジョシギ、トウネン、キアシシギ、チュウシャクシギなどが確認できました。私たちは、野鳥に配慮して遠くからの観察としています。
 
ここで皆様にお願いです。
・蒲生干潟は、渡りの中継地として休息するシギ・チドリ類やここで繁殖をする種などが観察できるシーズンですが、鳥たちが安心して過ごせるように、遠くから観察するように心がけましょう。
・散策の際は、見守り看板などを見つけたら、中に入らず、そっと離れてください。
・シロチドリやコアジサシは砂浜や砂礫地に直接産卵するので砂浜での、ゴルフやボール遊びなどは避けるようにしましょう。
 
シロチドリやコアジサシの繁殖が無事成功し、多くのヒナが巣立つ吉報が届きますように、願っています。