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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

ひっつきむし

2009年10月21日
仙台
秋の里山の観察会では、種子の旅行方法(種子散布の手段)を題材にすることがあります。そのなかでも「ひっつきむし」と称され、獣や私たちの衣服に付いて移動する種子で、代表にアメリカセンダングサやイノコヅチ、キンミズヒキなどを呼びます。

今回は、水辺の「ひっつきむし」を紹介します。といっても虫とつくくらいですから小さく感じるかもしれませんがそれより大きな実です。

これはアヒルですが、この胸に注目して見てください。沢山の勲章を付けているように見えませんか?これが「ひっつきむし」です。羽ばたいてもなかなか取れません。


次はオナガガモです。胸に一つ勲章のように付けてます。オナガガモは胸を張って、「どうだ~!」と言わんばかり。

今回紹介した水辺の「ひっつきむし」の正体は、夏場沼の水面を覆い尽くしていたヒシの実でした。
鳥たちが沼の中を餌探しながら泳ぐと、このように胸から腹にかけて「ひっつきむし」がくっ付くことがあります。



写真ではヒシの実の突起の影を見ると、矢じりのようにギザギザがあり羽毛に絡むようになっています。これは、ヒシはもしかして水鳥を利用しようとしているのでは・・・・、本来はヒシの種子散布は水の流れを利用してるとは思いますが、「もっと、遠くに」と考えると渡りをする水鳥はヒシにとってはチャンスなんですね。