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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

渡り鳥情報「食べる」

2025年01月16日
仙台 鎌田 和子
新年あけましておめでとうございます。
今年初めての日記を更新いたします、仙台自然保護官事務所の鎌田です。
本日は、ガンカモ類の「食べる」に注目してみました。舞台は伊豆沼周辺です。

まずは、オナガガモ編です。
空に突然、カモ類の群れが現れた
カモ類の群れを発見、約700羽のカモ類、沼上空ではなく、田んぼの上空を飛翔しています。もう少し近づいてみます。
オナガガモの群れでした
猛禽類にでも追われているのかと見まわしましたが猛禽類は確認できず、よく見ると、尾がシュッと長いので、オナガガモとわかりました。
オナガガモの群れは田んぼに降りはじめました
旋回しながら、オナガガモの群れは田んぼに降りはじめました。降りたオナガガモの群れは、せっせと田んぼの柔らかになった土の中にクチバシを入れていました。
人から餌をもらうオナガガモとオオハクチョウ
伊豆沼の登米市側にある野鳥観察館の前沼では、人から餌をもらうのが当たり前のように集まっています。
水面を這うようにクチバシを水の中に入れて食べる
伊豆沼の登米市側にある野鳥観察館の前沼では、オナガガモの様子をよく観察できます。逆立ちもしますが、水面を這うようにしてえさを食べていました。
オオハクチョウ編です。
オオハクチョウなのに白くない、泥だらけ
伊豆沼・内沼で見られるオオハクチョウは、純白なハクチョウはあまり見られません。なぜかしら?
泥だらけの訳は
その訳は、沼の浅いところでレンコンを食べるために潜るからです。ある時は逆さまにキュッとお尻を立てて、ゴソゴソ、水面から頭を出したら、ほら、この通りです。どろんこです。
次はマガンとオオヒシクイです。
マガンが田んぼに頭を突っ込んでいます
マガンは、雨や雪が解けたりした水たまりのある田んぼで、頭を突っ込んでいます。
マガンのクチバシは泥だらけ
マガンが、警戒して首を上げたら、クチバシは泥だらけ、落穂を必死に探していたみたい。
オオヒシクイのクチバシも泥だらけ
警戒して首を上げたオオヒシクイも、やはりクチバシは泥だらけでした。この日は、オオヒシクイは沼より田んぼで過ごしている個体が多く見られました。
これらは1月上旬の渡り鳥飛来状況調査の合間に撮影しました。年が明けて、冬の渡り鳥たちは日々の食事ではあるのですが、北帰行に向けてせっせと食べているように感じました。オオヒシクイやマガンなどは、白いお尻の様子がふっくらとしてきますので、ぜひ、双眼鏡や望遠鏡などで、観察してみてください。
きっと、「食べる」が見えてきます。

今年も、国指定鳥獣保護区の自然情報などをお伝えしていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。


毎年2月2日は世界湿地の日です。
今年のテーマは、「湿地を守ろう わたしたちの未来のために」です。
詳しくは、下記URLからご覧ください。

https://www.env.go.jp/nature/ramsar/conv/World_Wetlands_Day.html