東北地域のアイコン

東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

冬の渡り鳥観察会 化女沼編

2010年12月07日
仙台
昨日に引き続き、冬の渡り鳥観察会~冬は二本立て!動物園と化女沼で見てみよう2010!~長~いタイトルの観察会の二本目の様子を報告いたします。

12月5日、国指定化女沼鳥獣保護区でマガン、亜種ヒシクイの塒入りの観察会を開催、今回は仙台市八木山動物公園のご配慮で、動物公園始発仙台駅経由の貸し切りバスを出していただきました。仙台市近郊の車で現地へ出かける機会の無い方でも参加可能となり、大変助かりました。

バスの中では、八木山動物公園の永年取り組まれてきているシジュウカラガン羽数回復計画の一端を紹介していただきました。バスを利用した参加者の皆さんは特にお得でした。

八木山動物公園で講師をしていただいた曽地さんです。シジュウカラガンの生態を写真やクイズで優しく教えていただきました。また、化女沼を塒としているシジュウカラガンの情報も、楽しくあっという間に、化女沼に到着してしまいました。


化女沼での講師は、大崎市役所の三宅さんです。塒入りまでのしばらくの時間は、座学、動物園でのふりかえり、化女沼を塒とするヒシクイ、マガンについてや、参加者の皆さんからの質問に答えていただきました。

もう一人の講師は大崎自然界部部長の若見さんです。マガンとお米のつながりを話しいただきました。

この日は12月とは思われないくらい温かく、天気に恵まれたのですがそのため塒入りの時間がいつもより少し遅くなり、「まだかな、まだかな?」焦りだしたその時16時30分、マガンの塒入りがはじまりました。化女沼の塒入りの特徴は私たちの頭上を通過して沼へと入るところ、数は伊豆沼、蕪栗沼に比べればはるかに少ないかもしれませんが、亜種ヒシクイの塒としても貴重なところです。
16時40分、亜種ヒシクイが帰ってきました。この日、マガン、亜種ヒシクイ合わせて4000羽、次から次と帰ってくるマガン達を仰ぎ見て、歓声がどこからともなく湧いてきました。
座学で、三宅さんが話してましたが、確かに伊豆沼、蕪栗沼に数は負けますが、こんな塒入りを観察できる場所は全国探しても数えるばかりです。日本に渡ってくるガン類17万羽のうち、14~15万羽を伊豆沼、蕪栗沼、化女沼で支えていることを考えると、ここが一番、二番などと比べることはできないように思います。それぞれの沼の特徴を鳥達が理解して塒としているのでしょうから。
2回に亘って開催した観察会で参加者の皆さんには、知識を深め、自然を理解していただけたのではと思います。

仙台市八木山動物公園、大崎市役所の皆様、ご協力ありがとうございました。