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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

蒲生干潟自然再生協議会(観察会の巻)

2009年10月19日
仙台
蒲生干潟自然再生協議会「第2回環境教育・市民参加検討部会」が開催されました。いつもであれば、集合は会議室ですが、この日は干潟自然観察も交えながら歩きました。机上だけではわからないことや現場を見てさらに活かしていこうという趣旨での企画でした。
防波堤見学、自然再生施設計画予定地見学(越波防止堤など)、また蒲生干潟の自然についての説明を受けながら、意見交換を行いました。今日はその中の一部を報告します。


越波による砂の持ち込みによって、砂浜の状態も随分変化しているとのこと。越波防止堤を設置するなどで、その対策がとられています。


写真中央に砂浜に丸く囲んだところはスナガニの巣穴だそうです。これはここ蒲生干潟の砂浜が良好なことを現わしているらしく、点々とその巣穴がつづいていました。砂浜が良好というところでは、植物のハマニンニク(テンキグサ)が最前線にあるという解説、植物、いきもののサインが海岸の不良なところや良好なところを教えてくれていると思いました。



写真では、津波や高波を防ぐ防潮堤が9月末に完成したことの報告と、白い堤防に布がかかっているのですがその役割の解説、それは干潟と陸を行き来して生活しているカニがこの堤防を越えるための試みだそうです。大潮の産卵時期に利用されればとの試みでした。(ここではこうしたら?という意見も)

それぞれ、いろいろなところに配慮が必要で、それは自然へ、私たち人間の利用へとつながり、命を守り、環境教育、ボランティア活動、癒しなど、森林の活用に通じるものを改めて感じた一日でした。

いつもの巡視では得られないことであり、これからの自然再生に役立つことをみんなが考えていることを感じた観察会でした。