東北地域のアイコン

東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

冬の渡り鳥観察会 「八木山動物公園・蕪栗沼」

2012年12月18日
仙台
仙台自然保護官事務所の鎌田です。
毎年冬は二本立てを恒例に観察会を開催しておりますが、今年も開催いたしました。
題して「~豪華二本立て!動物園と蕪栗沼で見てみよう2012!~」

1回目は11月17日土曜日に仙台市八木山動物公園で、飼育されているガン・カモ類を間近に観察したり座学で学びました。

八木山動物公園の獣医師の牛尾さんが講師です。鳥の生態や羽の構造など、何と言っても、動物公園の一押し、「シジュウカラガンの羽数回復」、園内ではガン生態園でシジュウカラガンを直接、クチバシや尾羽の付近にある尾脂腺を観察しました。撥水性も確かめました。

モデルになってくれたシジュウカラガンさん、ありがとう!羽根をキレイに整えるための自前のポマードという感じを参加者のみなさんは関心していました。これは、動物園ならではです。
シジュウカラガンに触れたことで、参加者の皆さんの期待は、12月1日にマガン、ヒシクイ、是非、シジュウカラガンを見たいと膨らみ始めました。


2回目は12月1日、蕪栗沼での塒入りを観察します。集合は国指定化女沼鳥獣保護区内のダム管理事務所、ここで、まずは、ガンとカモの違いを学び、大崎市の「マガン楽園号」で出発です。蕪栗沼までの途中、バスからマガンの水田での採餌行動を観察し、塒入りの観察場所へ。

蕪栗沼の案内、講師は蕪栗ぬまっこくらぶの事務局長伊藤のぞみさんです。写真では、ガン類の見分けカードで解説しています。

強風のこの日、参加者の皆さんは寒さに耐えながら、マガン達の塒入りを観察、水面に次から次と降りだした鳥たちを望遠鏡で覗いてみました。
最初は観察できないかなと心配したシジュウカラガンでしたが、1羽、2羽数えだしたら、100羽を超えました。参加者の皆さん全員が観察することができました。実は、最もこの日喜んだのは八木山動物公園のスタッフの方々だったかもしれません。永年シジュウカラガンの羽数回復計画をすすめてきて、数年前までは野生で見られる数は1羽、2羽でした。それが、昨年は200羽を超え、この冬はこれからも飛来するでしょう。
参加者とスタッフが喜ぶ観察会となりました。
久々に書いたら長くなってしまいました。
最後に、現在蕪栗沼では、震災に伴う復旧工事が行われております。北側の駐車場は立ち入り禁止となっておりますので、工事に伴う案内に従ってください。ご協力お願いいたします。