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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

ふゆみずたんぼ

2010年01月14日
仙台
1月7日の情報で、蕪栗沼でマガン11万羽が飛び立ちの時点で数えられました。えっ、ほんと!なぜ?と思い、岡島保護官と翌日確認に出かけてきました。

どうして、この時期に蕪栗沼にこんなに集まるのだろうか?ちょっと考えてみました。
・冬季期間、餌場となる田んぼが雪に覆われることが少ない
・餌場の傍に、塒となる沼があり、凍結しにくい
・転作物の大豆畑、麦畑も比較的多い(餌場)
・パッチワーク状に田んぼに水が張られている


写真左側の田んぼは稲刈り後耕され、右側の田んぼはわらをそのままにわらが隠れるくらいに水が張られている。水鳥の食べる落穂を残すため、田んぼを耕さないまま残す。これが「ふゆみずたんぼ」なのです。


「ふゆみずたんぼ」に降りたマガンは落穂を食べ、そこに糞をし、それは良質な肥料となり、田んぼの土の中ではいろいろないきものたちを育み、やがておいしいお米となるのです。
地域の人々がマガンを呼んでいるようです。

という訳で、蕪栗沼にはこれだけのマガンが集まっているようです。立地条件(環境)、人々の理解、そこを選んだ水鳥、これを合わせたら、雁という漢字になるのかしら?

この日、「ふゆみずたんぼ」のごはんをいただきました。格別な味に感じたのはきのせいでしょうか!