東北地域のアイコン

東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

警戒警報発令

2009年12月04日
仙台
この日は快晴の気持ちの良い天気、動物にとっても、私たち人間にとってもそれはそれは恵まれた一日だったのです。蕪栗沼ではオオヒシクイもマガンも気持ちよさそうにお昼寝、時折、頸をあげるのですが、ほとんどが頸を背中にまわしています。

とその時、ザワザワ、ザワザワとどよめき、オオヒシクイの群れが一斉に雁首を揃えて、警戒態勢になったのです。ところが水面にいるマガンはまだ警戒している様子ではありません。えっ、「何が起きたのだろう!」私たちは目を凝らして周辺の状況を観察しました。

その時の写真がこれです。

水辺にはマガンやオオハクチョウ、雁首揃えているのがオオヒシクイ、その後方は葭原、水辺を避けて歩いている動物発見!キツネです。


アップで見てみると、しっぽも体もふっくらしたキツネでした。どうやら、オオヒシクイを狙っているのではなく、ただそこを通行中といった感じのようです。警戒警報レベル2くらいだったのでしょうか?レベル3だと一斉に飛び立つのだろうか?
「雁首揃えて」の光景、健康優良なキツネを見れてラッキー!とここまでは現場での観察です。



実は写真を見ていて、えっ!と驚いたことがありました。トリミングしてもシルエットだけなので、はっきり断言できないのですが、1枚目の写真の中央の電信柱の左側を大きくしたら、私にはオジロワシのように見えるのです。もしかしたら、この警戒はオジロワシにだったのか、頭の中でドンドン推理が膨らんでいくのです。
11月下旬から、蕪栗沼にオジロワシ2羽が滞在中で、狩りを目撃している人もいます。食物連鎖のドラマが日々繰り返されているですが、中々その瞬間に立ち会うことは難しいので、私たちにとっては、貴重なワンシーンだったようです。