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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

蕪栗沼のオオヒシクイ

2009年11月18日
仙台
今の季節、蕪栗沼の巡視に出かけるとオオヒシクイをよく観察できます。といっても、頸を後ろに隠すようにいつもお昼寝状態、そのころマガンは田んぼに出かけてお食事中、「どうしてお昼寝中、何故だろう?」と経験不足の私のちょっとした疑問でした。その疑問の答えが、「飛び立ち」にありました。

先日、飛び立ちの観察会に参加した際、講師の方が教えてくださったことは、「実はオオヒシクイは朝帰りをするんですよ!」ということでした。実際、飛び立ちを待つ時間にオオヒシクイのグループが沼に降りてくるのです。何だか、人間の朝型、夜型のようなものでしょうか親近感が湧いてきます。それとも時間の棲み分けでしょうか?



起きている1羽は、もしもの警戒当番でしょうか?後はみんなお昼寝状態、マガンより、近くで観察できます。(中々、顔を見せてはくれませんが)この日は200羽近いオオヒシクイを確認しました。


10月中旬、オオヒシクイが蕪栗沼に渡ってきてまだ間もないころの写真ですが、オオハクチョウとの大きさの違いやマガンの胸の横斑がオオヒシクイにはない、嘴の色など特徴が解ると思います。もうひとつ、水面に注目してみてください。1枚目の写真では、随分水面に羽毛が浮いているので沢山のマガン・ヒシクイがここをねぐらとして利用していることが想像できると思います。10月中旬はまだねぐらとしての利用者が少なかったことが解ると思います。

オオヒシクイがお昼寝している周りで、ちょこちょことお食事をしたり、羽繕い、お昼寝していたのは、後頭部の冠羽が特徴と雄・雌ほぼ同色のタゲリでした。オオヒシクイのお休み場所は、水深が浅く泥状態なので、タゲリのほかにも、ツルシギやエリマキシギなどいつも、入れ替わり立ち替わりお客様が訪れているようです。餌になるいきものの豊富さも合わせて観察してほしい場所の一つです。