アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]
糞便採取調査を行いました
2022年01月26日こんにちは、仙台自然保護官事務所の鎌田です。
国指定伊豆沼鳥獣保護区では、高病原性鳥インフルエンザ対応のため、野鳥のサーベイランスの実施をしています。
死亡野鳥等調査では、対応レベルに沿って検査を実施、鳥類生息状況等調査では、野鳥の生息状況や異常の有無について情報収集しています。3つ目の調査が糞便採取調査です。野鳥がウイルスを国外から持ち込む場合の早期発見を目的として実施しています。毎年各地域の渡り鳥の飛来初期にあたる時期(10月~12月)に1回以上実施しています。11月、12月、今季3回目の糞便調査を伊豆沼・内沼で行いました。その時の様子を紹介します。
写真のように、オナガガモやオオハクチョウがエサを求めて集まる内沼のほとりで、伊藤企画官と私が行ったり来たりしながら、新鮮な水鳥の糞を採取しています。周りでは、観光で訪れている皆さんにとっては、何をしているのかなと興味津々だと思います。
この日は、気温6度、風もなく穏やかな日、約700羽のオナガガモが周辺にうろうろしているので、簡単に糞便採取調査が終わるかと思っていました。しかし、甘かった。二人で採取する数は100個体分です。今シーズンは12月も大変だったことを思い出しました。なぜだろう、野鳥たちは確かに糞をしているのですが、沼の中でしているのと、砂浜でもしているのですが、カモたちも自らの糞を踏んでいるし、人間も踏んでしまっているのです。1時間半かけてこの日は、内沼と伊豆沼の2箇所で漸く100個体分を採取することができました。
12月分までの伊豆沼の調査では陰性の結果でしたので、今回も大丈夫なことを願うばかりです。
問題がみえてきました。観光で訪れた皆さんの靴底に糞が付着してどこかに分散しているかもしれないのです。「エサを与えて、今日は楽しかったね。」で終わらせる前に、手指の消毒はしているかもしれませんが、足元は大丈夫ですか?新型コロナのこともあり、消毒については、皆さん理解していると思います。ぜひ、足元の消毒も忘れないでください。
東北のAR日記をご覧の皆様、同じ東北でも、雪で真っ白な場所もありますが、冬の渡り鳥が越冬するここ宮城県北部に位置する国指定伊豆沼鳥獣保護区では、確かに沼が凍ることもありますが全てが結氷しない、周辺の水田の積雪も少なく、越冬には適していいる場所なのです。
昨年1月の日記はこんな様子でした。