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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

鳰(にお)の沼

2009年06月05日
仙台
今日はカイツブリについて報告します。

カイツブリは、観察しているとよく潜水(餌採り)します。
20秒前後しかも、潜った地点より離れた所にプカッと出てきますの
で写真を撮影時はどこに出てくるかと先を読みながらシャッターチャ
ンスを狙います。大きさがハト位の大きさカイツブリの仲間の中では
最小、見る限りではのどかに居心地よさそうに感じます。

伊豆沼ではカイツブリが少なくなってきているという話を
聞いています。どうしてなんだろう?そういえば、ここ数回巡視
にいっても、1羽のカイツブリしか私は見ていませんでした。

なぜ?と思っていたところ、先日衝撃的な報告を受けたのです。伊豆沼のオオクチバスの駆除をしている方から、オオクチバスのお腹の中に「オオジュリン」が入っていたということを聞きました。以前、秋田での報告に「アオジ」が入っていたという事例もあることから、野鳥がボヤっとしていたのではなく、オオクチバスが狙って食べたのではないかとういうことです。

もしかして、オオクチバスにとってカイツブリの雛も丁度いい餌にしか見えないのでは・・・・これでは、伊豆沼では繁殖するには危険すぎると判断して、他の沼へ避難しているのではないか、そんな話を聞きました。
もしかしたら、カイツブリがなかなか見られない原因もそれかもしれません。


鳰とは昔のカイツブリの呼び名、地名に鳰が使われているところにはカイツブリが棲んでいたところの証かもしれません。
早く、ブラックバスが居なくなり、野鳥たちが安心して子育てができる環境を取り戻したいものです。



草陰から水面を観察していましたが、足元に目を向けたら金平糖のような実がいっぱいなので気になり調べてみました。ヤガミスゲのようです。この季節は湿地や沼の縁にはカヤツリグサ科の植物が目立ちます。


そして、イトトンボも飛んでいます。写真はセスジイトトンボのカップル、水面ではヤンマの仲間もパトロール、あれもこれもと気になることばかりです。見たいと思っているオオセスジイトトンボにもそのうち会えることでしょう。