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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

冬の渡り鳥、ゾクゾクと

2012年10月12日
仙台
こんにちは、仙台自然保護官事務所の鎌田です。
この夏、8月の暑さが9月の後半まで継続され、いつもの通りにマガンが飛来するのだろうかと、ちょっとだけ心配していたのですが、国指定伊豆沼鳥獣保護区と蕪栗沼・周辺水田鳥獣保護区に、9月20日にそれぞれ、マガンが確認されました。季語では初雁(はつかり)です。やっと、秋、冬の鳥たちの季節到来です。

今回は、10月5日に渡り鳥調査した際の伊豆沼の様子をお伝えします。

まずは、この写真から!


稲刈りが終わった田んぼ、前の田んぼから奥の田んぼまで、マガンが一杯です。写真では見えない左右に広がる田んぼにも・・・・・。数えてみたら、この区域で7000羽はいました。まだ、初日から2週間なのに、伊豆沼・内沼、そして周辺の水田にはこの日、ざっと数えたら、2万羽、7ヵ月ぶりに懐かしい光景が帰ってきました。

長旅を終えてこの伊豆沼にやってきたマガン達は、特に神経質で、人間との距離を大きく離したいようで、何かに驚いたのか、沼で休んでいた群れが一斉に飛び立ちました。不思議と農作業車には気を使わず、自家用車には過敏なのです。
これだけのマガンが群れ集まるところなので、迷鳥、珍鳥が混ざっている可能性があり、初雁の情報以来、バードウォッチャーが増加中です。バードウォッチングの際は、できるだけ野鳥にストレスを与えないよう配慮して、観察をお願いいたします。



内陸の湖沼で、この季節に見られるシギの仲間の1種ですが、オグロシギです。マガンで賑わうエリアを避けて、羽を休めていました。

こちらの写真は、クロハラアジサシ。日本列島を縦断した台風17号が伊豆沼にお土産を残していったようです。内沼で17羽を確認しました。丁度、同じ頃、仙台海浜鳥獣保護区蒲生干潟周辺でも、クロハラアジサシが確認されていたことから、台風の通過経路では思いがけない野鳥に出会えていたと、思います。

いよいよ、宮城県北部に集うマガン達の季節がやってきました。10月12日現在、マガンの飛来羽数、伊豆沼、蕪栗沼周辺には、約10万羽、10月5日とは比べ物にならない数になってきています。
これから3月までの期間毎日、圧巻の塒入り、飛び立ち、田んぼでの採餌を是非、観察してみてください。

※観察の際の注意ですが、 現在、伊豆沼、蕪栗沼では、震災復旧工事が行われております。通行、観察時にはどうぞ、事故のないように注意していただき、工事関係者から指示があった場合はそれに従って行動していただければと思います。ご協力お願いいたします。