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アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

東北地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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秋田

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2018年07月18日森吉でのコウモリ観察会

秋田 足利 直哉

秋田自然保護官事務所の足利です。

 

 7月15日(日)に森吉山野生鳥獣センター運営協議会主催の自然観察会、『コウモリ観察会』を実施しましたのでお伝えします。今回の観察会はNPO法人コウモリの保護を考える会との共催で実施し、参加者・スタッフ合わせて32人で実施しました。

 この観察会は夜間に行う観察会と言うことで、共催するNPO法人コウモリの保護を考える会の会員と一緒になって、事前に観察会ルートの整備・清掃を徹底して行い、参加者が躓いたり、枝に引っかかったりすることが無いようにと入念に準備をして本番に臨みました。

   

 先ずは森吉山野生鳥獣センター館内での事前レクチャーです。最初に参加者全員にコウモリの絵を描いてもらいました。コウモリの特徴を細部までよく捉えているものから、映画などでお馴染みのヒーローのロゴマークを思わせるものまで色々でした。続いてNPO法人コウモリの保護を考える会の方からコウモリの体の特長や生態、秋田県内での観察情報などをお話しいただいてから、岩手県内で採取したコウモリの糞を顕微鏡で観察しました。

   

<事前学習の様子>

  

 こうしてバッチリ事前学習をしたところで、いよいよ観察となるのですが、コウモリは夜活動するので、なかなか肉眼で捕らえることが難しいです。そこでバットディテクターというコウモリの出す超音波を我々人間が聞こえるように変換してくれる機械を使って観察するのが有効です。NPO法人コウモリの保護を考える会で日常的にコウモリの調査を行っている方に参加者のグループ毎にバットディテクターの使い方を解説していただきました。

   

   

 最初の観察は、周辺をぐるりと見渡せる森吉山野生鳥獣センターの駐車場で行いました。日没までもう少し時間があったので充分に肉眼での観察が可能な中、一羽のアマツバメが私たちの上を通り過ぎました。講師からは「これからアマツバメと入れ替わってコウモリが飛ぶかも知れませんよ」という解説があったのでバットディテクターを上空に向けていたところ・・・バットディテクターから「カタカタカタカタカタ」という反応があり『出た!コウモリ』という講師の声。比較的高い場所を飛ぶコウモリの存在を確認することが出来ました。このとき個人的には、これまでこうした時間帯に空を飛ぶ生き物を見つけても鳥だろうと思っていましたが、『もしかしたらコウモリも見ていたかも知れない。』と思い、私が思っているよりコウモリは私たちの近くにいるのかも?と気づかされました。

 日没時間を過ぎ、徐々に辺りが暗くなっていきます。既に野外に出てから相応の時間がたっているので周囲が徐々に暗くなってきても目は順応しています。とは言え、森の中は既に暗くなっていますので、安全に配慮しつつ、コウモリの観察がしやすいように出来るだけ明かりを絞って、観察ポイントの湧水池まで移動します。

 到着した時点ではまだ周囲の様子が確認できる状態で、そこからコウモリが現れるのをバットディテクターを構えて待ちます。暫くすると皆さんが構えたバットディテクターが一斉に鳴り出しました。周囲が闇に包まれた頃合いを見計らってこの日の食事にありつこうと出てきたコウモリの第1陣が湧水池の上を飛び回っていたようです。その後も断続的に反応が見られ、中には飛翔するコウモリの姿を見た方もいたようです。

  

 帰り道、NPO法人コウモリの保護を考える会の方が実施していた調査の様子を見学したのち全員無事に森吉山野生鳥獣センターに到着し、観察会は終了しました。

 

<コウモリ調査を見学中>

 

 参加して下さいました皆様ありがとうございました。NPO法人コウモリの保護を考える会の皆様、お疲れ様でした。皆様のおかげで充実した観察会を無事に終えることが出来ました。この場を借りてお礼申し上げます。

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2018年07月09日森吉でのカエル観察会

秋田 足利 直哉

秋田自然保護官事務所の足利です。

  

 6月30日(土)に森吉山野生鳥獣センター運営協議会主催の自然観察会、『カエル観察会』を実施しましたのでお伝えします。今回の観察会はNPO法人秋田水生生物保全協会にご協力いただいて実施し、参加者・スタッフ合わせて20人で実施しました。

 観察会はカエルがより観察しやすい時間帯を狙って午後1時からスタートしました。この日は、時々雨が降るものの天気は回復傾向で気温がやや高く、さらに前日までに降った雨の影響で森の中の湿度が高いというカエル&サンショウウオの観察には絶好の条件が揃い、期待を膨らませての観察会スタートとなりました。

 

 観察会のコースは、桃洞渓谷沿いで行いました。このルートは森吉山野生鳥獣センターを起点としてルートとしては最も一般的なもので、運営協議会主催のイベントの多くもこのコースで実施しています。先日実施した野鳥観察会もこのコースで行いました。そんなお馴染みのコースでも観察対象が変われば見方も大きく変わるもので、野鳥観察の時は上方に注意を払いながらの観察会でしたが、今回は足下の池や沢に注意を払っての観察会となりました。

 

<モリアオガエルの卵嚢とオタマジャクシの観察>

 

<モリアオガエルの卵嚢とオタマジャクシ>

 

<アズマヒキガエルの観察>

 

<アカハライモリの観察>

  

 観察したカエルは、ヤマアカガエル成体とオタマジャクシ、モリアオガエル卵嚢とオタマジャクシ、アズマヒキガエルの成体、カジカガエルのオタマジャクシ、観察した有尾類は、アカハライモリ成体、トウホクサンショウウオの卵、クロサンショウウオの卵と幼生でした。

 途中から雨が上がり、陽も射してきたこともあって、カエルやサンショウウオの活動が鈍った感はありましたが、それでも日頃じっくり観察する機会がなかった生き物の観察は非常に楽しかったです。参加者からも「詳しい方に見方、持ち方等を教わりながら観察するのは楽しい!」という声が聞かれました。

私自身、これから森吉に行く時には、カエルやサンショウウオなどにも注目して歩くことになりそうで、また一つ森吉を楽しむチャンネルを得たような感覚です。

  

<ヤマアカガエル>

   

 次回の森吉山野生鳥獣センター運営協議会の自然観察会は7月15日(日)に予定している『コウモリ観察会』です。実は森吉山野生鳥獣センター運営協議会主催の自然観察会で一番人気なのが、このコウモリ観察会です。現在参加申込み受付中です。

 申込は、「NPO法人冒険の鍵クーン」まで、電話0186-72-3168、FAX050-7515-6163

  

 

 

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2018年06月21日大潟でのコジュリン情報とミニ観察会のお知らせ

秋田 足利 直哉

 秋田自然保護官事務所の足利です。

 

 大潟村にある大潟草原野鳥観察舎でお目にかかった方々にお目当ての野鳥は何かと伺うと「チュウヒ」或いは「コジュリンとオオジュリン」という声が大半を占めます。そこで今回は大潟草原鳥獣保護区や大潟村でのバードウォッチャーに人気の高いコジュリンの観察に役立つ情報をお伝えしようと思います。

 

 

 例年、大潟草原鳥獣保護区でのコジュリンの初認は、3月下旬頃です。今期も3月24日に確認情報がありましたので、ほぼ例年並みの飛来であったろうと推察しています。その後保護区内でさえずりが聞かれるようになり、4月上旬にはかなり賑やかになります。4月5日の巡視時には観察路沿いで5個体のさえずりを確認しています。

 

<コジュリンさえずり:4月5日>

 

 その後、さえずりの賑やかさは続きつつ、草原内を飛翔する姿を見かけるようになります。4月下旬には営巣や餌を運ぶ様子などが確認でき、今年も大潟草原鳥獣保護区内でコジュリンの繁殖を確認することが出来ました。下の写真はコジュリンの雄が餌を加えている様子です。分かりにくいかも知れませんが、昆虫をくわえているのが確認できました。(左下に拡大写真)

  

<コジュリン♂餌持ち:4月26日>

   

 ゴールデンウィークの頃には一部で巣立ち雛が見られるようになりますし、餌を運ぶ個体が増えて各所で忙しく子育てをしていることを伺わせます。

 5月半ばを過ぎると草原内に新しい草が伸びてきて、草原の景色が徐々に変わっていきます。大潟村やその周辺では水路沿いや田んぼの周辺などたくさんの草地があり、草の伸長に合わせてコジュリンたちも生息エリアを拡大していくようです。6月19日には田んぼの畦に伸びてきたヨシでさえずるコジュリンを確認しました。

 

<コジュリン♂囀り:6月19日>

  

 これから先のコジュリンは繁殖活動をする成鳥に加えて、今年生まれたばかりの幼鳥が観察できるようになります。7月中旬を過ぎるとさえずりをする野鳥が少なくなってきますが、そんな中でもコジュリンは比較的よくさえずるので観察しやすいと感じます。

 大潟草原鳥獣保護区でのコジュリンの繁殖活動は4月下旬に巣立つものがいる一方、8月下旬にようやく巣立ちを確認したこともあります。なぜ繁殖期にこうも幅があるのか?よく分かりませんが、他の草原性の野鳥に比べて繁殖活動を早く初めて遅くまで続くことでさえずりをする期間が長くなるのでコジュリンの観察がしやすいと感じているのかも知れません。ちなみに大潟村の農家の方々にコジュリンの情報をお聞きすると『あぁあの頭の黒いスズメみたいな鳥ね』と直ぐに思い浮かべて頂ける方も結構いるので、コジュリンの観察しやすさが認知度を高めていると思われます。

 9月になると観察機会が徐々に減っていき、10月には見かける事がほとんど無くなります。飛去期はいつなのか正確には分かりませんが、これまで11月中旬以降の確認記録はありません。

 

 ということで、コジュリンの観察適期はまさに今!です。日本国内に生息するコジュリンは、国内希少野生動植物種に指定されているオオセッカよりも少ないとするデータや報告もあります。そんな希少なコジュリンがこの時期の大潟草原鳥獣保護区や大潟村では、比較的見つけやすい野鳥です。

 とはいえ・・コジュリンを観察する際には繁殖活動の妨げにならないようにくれぐれも気をつけて下さい。また、もし田んぼなどで観察する際に農家の方々の邪魔や迷惑にならないように十分に注意して下さい。

 

 

 最後にミニ観察会のお知らせです。

 6月27日(水)午後1時から大潟草原野鳥観察舎やその周辺で約1時間のミニ観察会を実施します。テーマは雨の心配が無ければ「イタチハギ」を勉強したり観察したりとちょっと掘り下げてみようと思っています。雨が降ったら「野鳥の羽をひろったら」としてフィールドで野鳥の羽を見つけた時にそれを拾ってから保管するまでの流れを実践してみようと思っています。事前申込みや参加料は不要です。興味のある方は大潟草原野鳥観察舎にお越し下さい。お待ちしております。

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2018年06月12日野鳥観察会の報告と野鳥写真展のお知らせ

秋田 足利 直哉

 秋田自然保護官事務所の足利です。

  

 6月10日(日)、森吉山野生鳥獣センター運営協議会の今年度最初のイベント、「野鳥観察会」を実施しましたのでお伝えします。今回の野鳥観察会は、日本野鳥の会秋田県支部と森吉山野生鳥獣センター運営協議会が共催し、森吉山麓自然再生協議会の協力を得て参加者とスタッフ併せて28名で実施しました。

 当日の天候は時折薄日が差し、暑くも寒くも無く野外で気持ちよく行動できる天候だったので、たくさんの野鳥に出会えるのでは?と期待を膨らませてのスタートとなりました。

  

<開会式と観察会の様子>

     

 野鳥観察会は野生鳥獣センターから桃洞滝までの4.2キロのコースを往復して実施しました。この日はキビタキの鳴き声がたくさん聞かれ「参加者からも今日はキビタキが多いね」という声が聞かれました。私自身も桃洞滝までの行程中ずっとキビタキの声を聞いていたような感じがしています。

 桃洞滝を見て、渓谷沿いでお弁当を食べ、帰りは花の観察もしながらセンターへ向かっていましたが、時間的な余裕があったのでちょっと寄り道していこうと提案し、とある場所でこれまでの観察情報などをお話ししていたところ、私たちの上空をアカショウビンが飛んでいきました。昨年までこの観察会には「アカショウビンに会いたい!」というサブタイトルを付けており、そこに期待して参加して下さる方も多い中で、近年は「声は聞こえるものの姿が見られない・・」といった状況が続いていましたが、ようやく(一部の方ですが・・)その姿を見ることが出来ました。この日確認した野鳥は21種でした。

   

   

 野鳥観察会を終えて、第2部として森吉山麓自然再生協議会が主導して、森吉山野生鳥獣センター周辺にブナなどの植樹を行いました。苗木や資材の準備、植樹のアドバイスなどは秋田県自然保護課の職員2名で行っていただき、参加者全員で30本の苗木を植えました。

 野鳥観察会に会わせて植樹を行っているのは、森吉山麓自然再生協議会が目指す『クマゲラの棲む森の再生・拡大・連続性の確保』に日本野鳥の会秋田県支部が賛同して下さり「自分たちが未来のクマゲラの営巣木になる木を植えよう」という事で、協力していただいているものです。

   

<植樹作業の様子、未来のクマゲラ営巣木になるようにと願いを込めて>

   

   

 現在、森吉山野生鳥獣センターの館内では「あきたの野鳥」写真展を開催中です。ここでは日本野鳥の会秋田県支部会員等が秋田県内で撮影した野鳥の写真30点を展示しています。ベテラン会員の力作から最近野鳥の興味を持って撮影に取り組んでいる方のチャレンジ作品まで色々並んでいます。展示期間は今月いっぱいですので興味のある方は是非ご来館下さい。

 


<日本野鳥の会秋田県支部会員等が撮影した『あきたの野鳥写真展』の様子>

  

  

 次回の観察会は6月30日(土)の『カエル観察会』です。午後1時スタート、午後5時解散の予定です。桃洞滝までのコースでカエルやサンショウウオなどを探し、観察しようという新企画です。当日はモリアオガエルの産卵の様子やキタオウシュウサンショウウオに会えることを期待しています。興味のある方は是非、ご参加下さい。

申込は、「NPO法人冒険の鍵クーン」まで、電話0186-72-3168、FAX050-7515-6163、Eメールcontact@ku-n.jp

 

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2018年06月08日太平湖湖水開きと森吉山野生鳥獣センターの開館

秋田 足利 直哉

秋田自然保護官事務所の足利です。

 6月1日は、秋田駒ヶ岳山開き、八幡平山開き、丁岳山開きなど秋田県内各地で山開き行事が行われました。森吉山鳥獣保護区にある太平湖でも湖水開きが行われ、森吉山野生鳥獣センターも今シーズンの開館を迎えました。

 太平湖湖水開きは、太平湖グリーンハウスで行政機関や地元団体など関係者約40名が参加して執り行われ、来訪者の安全祈願と遊覧船の安全運行を祈願する神事から始まり、続いて桟橋で関係者のテープカットによる遊覧船の出港式を行い、今シーズンの第1便が出港し、小又峡桟橋との渡船が始まりました。

<神事の様子>

  

<テープカットの様子>

 

 太平湖は昭和28年の森吉ダムの完成によって出来た人造湖です。遊覧船は太平湖に流れ落ちる滝などの見所を船長が解説しながら、小又峡の桟橋へと渡っていきます。なお乗船料は、往復で大人1400円、小人700円となっています。

 小又峡は、秋田県指定の名勝、天然記念物となっており、滝・甌穴・淵・瀬など水の流れが次々と変わり様々な表情を見せる峡谷です。遊覧船を下りるとそこから歩道が伸びており、散策を楽しむことが出来ます。

  

  

 続いて、森吉山野生鳥獣センターへと向かいました。森吉山野生鳥獣センターは今年で15シーズン目を迎えました。さすがにあちこちに傷みが出てきましたが、地道に点検や修繕を行いながら来館された方々に不都合など無く、満足していただけるよう努めています。今季の開館期間は6月1日から1031日までの予定です。

  

 開館期間中、自然観察会やクラフト作品づくりなど様々なイベントを企画しております。また開館期間を通じて、来館者に楽しんでいただくよう、工芸、手芸、絵画、写真など様々な作品展示も行っています。

 

<現在開催中の「流木art作品展」の様子>

  

 6月の自然観察会は、6月10日(日)に『野鳥観察会』(午前8時30分~午後3時)を開催します。昨日コースの安全確認と下見を行った際にはアカショウビンにも出会えました。6月30日(土)には『カエル観察会』(午後1時~午後5時)を開催予定です。この時期にはモリアオガエルの産卵シーンが見られるのではないかと期待しています。どちらも現在参加者募集中です。

 6月のクラフトは、6月24日(日)に『流木アートに挑戦!!』と題して、作品作りに取り組んでいる方を講師にお招きして、作品を作ります。参加には材料代として500円が必要です。また常時可能なプログラムとして「ストーンペイント」を実施しています。

 6月の展示は、吉田豊史「流木art作品展」と日本野鳥の会秋田県支部「あきたの野鳥写真展」を開催中です。吉田さんには24日のクラフト講師もお願いしており、日本野鳥の会秋田県支部には10日の野鳥観察会の講師をお願いしております。

   

 10日の野鳥観察会は、当日受付でも大歓迎です。様々な野鳥や昆虫、花に出会えます。

  

<渓谷のカワガラス>

  

 イベントの申込は、電話・FAX・Eメールでお願いします。

「NPO法人冒険の鍵クーン」

 電話0186-72-3168

 FAX050-7515-6163 

 Eメールcontact@ku-n.jp

  

  

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2018年05月28日大潟草原のサギのコロニーとミニ観察会について

秋田 足利 直哉

秋田自然保護官事務所の足利です。

 大潟草原鳥獣保護区では、夏鳥が次々と飛来し観察できる種がどんどん増えてきました。先日、コヨシキリの飛来も確認し、いよいよ本格的に「夏鳥の季節」がやってきたなと実感しているところです。

 大潟草原野鳥観察舎にお越し頂いて、野鳥観察を楽しまれる方々に向けて観察室内に春夏秋冬4枚のイラストマップを掲示しました。大潟草原野鳥観察舎の4方の窓から見える範囲のどの辺にどんな野鳥がいるか、過去の調査データや観察記録を元に配置した野鳥観察用のイラストマップです。

  

<観察室に掲示した野鳥マップ>

  

 この時期、観察舎にお越し頂いた際には『夏』のイラストマップを参考にしてください。オオセッカ、コジュリン、チュウヒなど大潟村を代表する野鳥の情報が描かれています。

  

 この週末、もっとも多く観察したのがアオサギ、ダイサギです。この2種は観察舎正面の林に形成されたサギのコロニーで繁殖活動を行っています。

  

<アオサギ>

 

<ダイサギ>

 

 アオサギもダイサギも巣にいる雛に餌を与えるため、観察舎前の池に降りたり、観察舎を通過して西側の西部承水路や周囲の水田に餌を探しに行くため、よく働いているようです。そのため、観察舎に居ながらにしてたくさんの個体を観察可能です。このコロニーにはこのほかにもゴイサギ、チュウサギ、コサギもコロニーで繁殖活動中です。

 サギ類は野鳥観察舎に来られる方々への人気が薄く、特にお昼頃、野鳥の鳴き声も収まって、野鳥たちの活動があまり活発では無い時間帯に来られた方は『サギしかいない・・』と残念そうな感想を漏らします。しかし、私の知る範囲での情報ですが、現在チュウサギの繁殖が確認されているのは秋田県でここだけですし、5種のサギ類が同所的に繁殖しているのも秋田県内でここだけです。

   

 今年度から大潟草原野鳥観察舎では、毎月最終水曜日の午後1時から2時までの1時間のミニ観察会を実施しています。425日(水)に実施したミニ観察会はサギのコロニーをテーマとして実施しました。観察舎に立ち寄ってくださった男性4人と一緒にアオサギとダイサギの巣をカウントしたり、それぞれの巣が作られた場所について意見交換したりしました。実際に巣のカウントをされた方からは『ぱっと見た時の予想を遙かに上回る巣が確認できた。』とその規模に驚かれたようでした。

  

<4月25日のサギのコロニーの様子>

  

 最後に・・・5月のミニ観察会は5月30日(水)午後1時から実施予定です。観察テーマは、当日雨が降らなければ「花」、大潟草原内に咲いている花をルーペや携帯顕微鏡を使って観察します。五体投地して小さな花の魅力を探しましょう。また当日雨の場合は「野鳥の羽」を取り上げます。羽を拾った後に私が行っている洗浄や保存法について実践し、顕微鏡を使った観察なども行います。参加無料で申込みも不要です。平日にお時間の取れる方は是非お越し下さい。

 大人数の観察会とは違ったアットホームな雰囲気の観察会や、私だけ?のマニアックな世界、あるいは様々な情報交換も出来るサロン的な場になれば良いなと思っています。

 

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2018年05月18日森吉山麓高原の新緑

秋田 足利 直哉

秋田自然保護官事務所の足利です。

 5月の半ばを過ぎて、冬期閉鎖中の森吉山野生鳥獣センターの開館準備を本格的に進めているところです。先日、現地に行ってアクセス道路の状況確認や建物に被害等がないか確認してきました。

  

<今期の開館を待つ森吉山野生鳥獣センター>

   

 アクセス道路については、道路管理をしている北秋田市が点検を実施して通行に問題が無いことを確認しており、実際に野生鳥獣センターまで支障なく通行できました。また野生鳥獣センターも大量の積雪に耐え、被害も無さそうですので6月1日(金)の開館に向けて準備を進めていけそうです。

 

 建物や周辺の確認後、付近を歩いてみました。現在、野生鳥獣センターの周辺は「新緑」の季節を迎えており。個人的には今が森吉山麓高原の1年で一番美しい時期だと思っています。

 

<残雪の森吉山外輪山と新緑の高原>

   

 が、しかし今はまだ野生鳥獣センターは冬期閉鎖中ですし、近傍施設も同じく冬季閉鎖中ですので、一帯には使えるトイレもありませんし、緊急時に駆け込む場所もありませんので、5月中の入山等はお勧めできません。野生鳥獣センターの開館準備が整いましたら、皆様にお知らせしますので、それまでお待ち下さい。

   

   

   

    

 さて、話題を変えまして・・・この日、目に付いたブナの話をしましょう。

実は、野生鳥獣センターへ向かう途中の道路脇にブナの雄花が大量に落ちていたので、この先でも花を咲かせたブナが見られるだろうなと期待が膨らみ、周辺を歩くのを楽しみに現地へ向かっていました。

  

<道路に降り積もったブナの雄花>

  

 

<ブナの花と新緑>

    

 私個人の見立てと感想ですが・・・昨年は、『花が付いたブナがないか?』と探すと所々に花を付けたブナが見つかったといった状況でしたが、今年は花を付けたブナがあちこちにありました。ほとんどのブナが花を付けているというと言い過ぎのような気がしますが、探さずとも花を付けたブナは見つけられるといった状況でしょうか。

   

 ちなみに、東北森林管理局が毎年発表している『ブナの開花・結実調査』によると直近5年間の秋田県の豊凶指数は、H25:開花時3.6・結実時2.9(並作)、H26:開花時0.8・結実時0.4(大凶作)、H27:開花時2.4・結実時1.8(凶作)、H28:開花時0.5・結実時0.1(大凶作)、H29:開花時1.0・結実時0.7(大凶作)となっていました。秋田県内でブナが豊作だったのはH17まで遡ることになる様です。

 一方、秋田県林業研究研修センターが、森吉山麓高原で実施している『森吉山麓高原自然再生事業植栽ブナ等モニタリング調査』によるとH25:豊作、H26:凶作、H27豊作、H28:凶作、H29:並作となっていて、森吉山麓高原のブナの結実状況は隔年開花が明瞭であるとしています。

   

 今年のブナの作況がどのような評価になるのか、気になるところですが、それはさておき、ブナの花がこれほどたくさん咲いている様子は、いつでも見られるものではありません。私もこのチャンスにたくさん写真を撮って、観察道具を色々と使ってブナの花をじっくり観察してきました。

 

 皆さんの周りのブナはどんな状況ですか?

  

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2018年05月11日秋田県環境と文化のむらにて写真展始まりました

秋田 足利 直哉

ご無沙汰しております。秋田自然保護官事務所の足利です。

 恒例行事となりました、環境省レンジャー写真展が今年も始まりました。秋田自然保護官事務所管内では5月1日から五城目町にある秋田県施設「環境と文化のむら 自然ふれあいセンター」で写真展が開催中です。

        

<写真展会場の様子>

            

 今年の写真展は東北地方環境事務所管内のアクティブ・レンジャー16人と保護増殖事業専門員1人の併せて17人が業務中に撮影した写真の中から2枚の選りすぐり(?)の写真が並んでいます。業務で撮影した写真なので、「作品」と呼べるようなものではありませんが、日々東北地方の海、山、草原、里山など様々な場所で春夏秋冬折々に様々な風景の中で仕事しそこに生きる動物たちの近くで業務を行っている私たちならではの写真もあるかと思いますので是非一度ご覧下さい。

   

 ちなみに私は大潟草原鳥獣保護区で撮影したこの写真と森吉山鳥獣保護区で撮影したキツネの写真を出しています。

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2018年01月16日大潟草原でのフィールドサイン

秋田 足利 直哉

 秋田自然保護官事務所の足利です。

 2018年、今年もよろしくお願いいたします。

 今季の冬は、はじめにドカッと雪が降って「これは大変な冬になるか・・」と覚悟していましたが、今日現在の秋田市街は積雪がほぼ無くなっています。ただ、このまま少雪・暖冬で終わるはずも無いので、油断せずに過ごしていきたいと思っています。

 そんな冬を野生動物たちは、どのように過ごしているのでしょうか。雪が降るこの時期は雪上に足跡が残るので、無積雪期には発見できなかった生き物の存在を感じることが出来ます。ここ数回の大潟草原鳥獣保護区での業務中に見つけたフィールドサインをご紹介します。

2017年12月21日撮影

  

 うっすら積もった雪が土とともに盛り上がり、それが線状に並んでいます。よく見ると土は凍っているようです。これはモグラが残した痕跡で、年間通じて観察できますが、雪の季節もかわらず活動している事が分かります。

  2018年1月5日撮影

  

 ネズミの足跡でしょうか。小さな足跡が二つ並んで残っていました。足跡の向きからして同じ方向に進んでいたようです。2匹のネズミが並んでこの場所を通過したのでしょうか?

  2018年1月5日撮影

  

 イタチの足跡だと思われます。クッキリと残るこの足跡は藪の中へと消えていきました。もしかして夜、活動して休息のために藪の中へ進んでいったのでしょうか?

  2018年1月5日撮影

  

 積雪期の大潟草原では、このような足跡がよく見られます。おそらくキジの足跡だと思われます。キジは年間通じて観察可能ですが、足跡を観察することでこの時期よく利用する場所が分かります。

  2017年12月21日撮影

  

 この足跡は結氷した開放水面の中に所々水面がのぞいている場所を巡って、藪の中へと消えていきました。前出のキジの足跡よりも全体的に大きく趾(あしゆび)も長いようです。それに足跡があまり深く刻まれていないので、キジよりも軽量な鳥なのでしょう。候補になりそうな野鳥や該当しそうな野鳥を色々検討してみましたが、結論を出せていません。

 実際に動物の姿は見られなくても、足跡などのフィールドサインを観察して情報を記録しておくことで、動物相の把握など貴重な情報源になります。仮に最後の写真のように足跡の主が特定できなくても色々と考えたり、想像するのも楽しいものですし、その写真を見ながら仲間達とあれこれ情報交換するのもとても有意義な時間です。皆さんもフィールドに出た際は、動物たちの残したサインを探してみて下さい。

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2017年12月01日「大潟村野鳥通信」

秋田 足利 直哉

秋田自然保護官事務所の足利です。

 師走を迎え、大潟草原鳥獣保護区やその周辺地域では、ガンやハクチョウ、カモ類がたくさん観察できるようになってきました。国指定大潟草原鳥獣保護区での調査データを見てみると11月下旬から12月中旬ころまでが、確認されるガンカモ類の種数、羽数ともにひとつのピークを示す時期になっていて、ハクガンやシジュウカラガンなどが大潟村にやってくるのもこの時期です。今年もそれらをはじめ、たくさんのガン、ハクチョウ、カモたちがやってきて水辺や餌場が賑やかになってきました。

<餌場へと向かうガンたち(大潟草原野鳥観察舎より)>

<水辺上空を飛び交うカモたち(大潟草原野鳥観察舎より)>

 大潟村にはこの時期たくさんのバードウォッチャーが訪れますが、その多くの方々が「道の駅おおがた」を利用しているようです。秋田自然保護官事務所では、道の駅おおがた、大潟村、大潟村干拓博物館、大潟村の自然を愛する会などとともに「道の駅おおがた」の24時間コーナー(休憩所や自動販売機のある施設)の一画に『大潟村野鳥通信』という掲示板を設置、運用しています。これは各月毎に大潟村で見られる代表的な野鳥の確認情報を提供する為のもので、当事務所では鳥獣保護区管理員さんやアクティブレンジャーが業務の際に確認した野鳥についてその都度、情報提供しています。(今朝も昨日調査を実施した鳥獣保護区管理員さんの調査データを提供し、その情報が既に掲示板に反映されています。)

 掲示板には主な野鳥の写真と、その野鳥の観察場所を示す地図がありますので、バードウォッチングする際の参考にしていただけるかと思います。「道の駅おおがた」にお立ち寄りの際は是非24時間コーナーにある『大潟村野鳥通信』掲示板をご覧ください。そして新たな情報を得られましたら、道の駅に隣接する大潟村干拓博物館へ情報提供していただけるとありがたいです。

 ※ガンやハクチョウの餌場となっている田んぼでは、農家の方々が忙しく作業をしていますので、野鳥にも農家の方々にも配慮して観察して下さいますようお願いいたします。

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