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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

ウソの群れ

2010年11月26日
秋田
 市街地の木々の紅葉もそろそろ終わり。公園などの植木は雪吊りや雪囲いが施されて来たる冬への備えを終えています。天気予報では来週辺りから雪マークがチラホラと・・・そろそろ冬将軍がやってくるのかな? 



 冬になって人気が無くなったエリアは動物や野鳥達が活動するエリアへと変わる様子を見ると「道路が通る前は此処も森の一部で動物や野鳥が生息して居た場所なんだろうな」なんて思うこともありますが、野鳥に限ってみると意外にも道路のような開けた環境は彼らの生活の場になっているから不思議です。採餌場であったり、水溜まりで水浴びしたり・・・。また同じ環境が連続するよりも道路などがあって植生に大きなギャップがある場所を好むように感じることもあります。
 何だか難しい話しになってしまいそうですが・・・今、私が言いたいのはこの時期、車が通らず人も通らない道路は絶好の野鳥観察ポイントになっているということ。

 今日の日記も人通り、車通りが無くなった道路で見つけた【ウソ】の群れの話しです。


 この場所はカラ類やヒワ類などの小鳥がよく観察される場所で、通るときにはいつも何が見られるか?と楽しみに通る場所なんですがこの日は20羽ほどの【ウソ】の群れがいました。
 彼らは車が通ると近くの茂みや暗い杉林の中へと逃げ込むのですが、じっと待っていると直ぐに餌を食べにやってきます。彼らのお目当てはツルアジサイの種。短い嘴でムシャムシャと食べる様子に思わず顔がほころびます。


 群れの行動を観察していると一羽一羽に性格の違い見たいのものを感じます。臆病でなかなか目につく場所に出てこない個体、警戒しているものの餌はしっかりと食べる個体、さほど警戒せずに食べるのに夢中な個体と様々。食事スタイルもそれに応じてじっくりと腰を据えて食べる個体、ちょろちょろと移動を繰り返しながら食べる個体、食べている時間よりもキョロキョロと周囲を伺う時間の方が長い個体と様々です。

 当然ながらレンズを向けるのは腰を据えて食べている個体に集中します。事務所に戻って確認すると相対的にメス♀の方がたくさん写真がありました。でもやっぱり羽の色が綺麗なオス♂を狙いたくはなりますよね^^。ということで3羽の【ウソ】の食事の様子をお届けします。


 オス♂成鳥です。


 まだ幼羽が残る今年生まれたオス♂第1回冬羽です。


 メス♀成鳥です。

 周囲を見るとまだまだたくさんのツルアジサイが種を付けてたくさん残っているようでした。全てを【ウソ】が食べるわけではないかも知れませんが、これだけ豊富な食糧があればこの場所で暫く観察できるかも知れません。ただし道路に車を止めての観察は周囲に注意して通行の邪魔にならないようにしましょう!!いくら人通り、車通りが少なくなっても道路ですから・・・ちなみにこの場所には路側帯があって観察には最適です。此処のように野鳥も見られて車も安全に止められる場所を見つけて、じっくりと野鳥観察をしてみるのも良いんじゃないですか??