ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

東北地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2021年12月03日裏磐梯地区パークボランティア活動反省会・研修会

磐梯朝日国立公園 裏磐梯 村上英夫

1127日の土曜日は、朝から雪が降り続く寒い一日でしたが、予定通り、磐梯朝日国立公園裏磐梯地区パークボランティア活動の本年度の反省会を実施しました。

〈裏磐梯ビジターセンター〉

今年も昨年度と同様に、新型コロナウイルス感染症対策のために活動が大きく制限されました。例年なら4月中旬に始動式を行ってから11月下旬まで約7ヶ月間、裏磐梯一円の探勝路と磐梯山、吾妻連峰の登山道において、清掃やロープ張りなどの保全活動、巡視活動および外来生物防除活動等を実施します。令和元年度は46回、それにビジターセンター支援活動が17回加わって合計63回の実施。しかし昨年度は感染症対策により40回、今年度は8月始動で26回の活動にとどまりました。

〈反省会〉

Aさん(パークボランティア):現在は無雪期の活動のみですが冬の活動はできないでしょうか?

S氏(ビジターセンター):スノーシュー体験の企画を検討しているところです。

Bさん:いくつかの団体がオオハンゴンソウ防除に取り組んでいますが協力体制が必要だと思います。

レンジャーO:外来生物や生物多様性への関心が高まり、防除活動を実施している団体が増えました。

Cさん:オオハンゴンソウの脅威については情報発信をさらに積極的に行うべきです。

・・・・・

意見交換は1時間半に及びました。ボランティアさんたちは高い問題意識と取り組みへの強い意欲をお持ちの方が多く、今後の活動へ向けて様々な示唆と提言をいただきました。

反省会は午前中で終了し、休憩をはさみ、午後は研修会を開催しました。

〈研修会〉

今年4月に赴任した黒江国立公園保護管理企画官は、前任地が小笠原諸島でしたので、ボランティアさんたちから「ぜひ小笠原のお話を!」という声が上がり、『黒江レンジャーがこっそり伝える外来生物対策の最前線~小笠原諸島世界自然遺産~』というタイトルで約2時間の講演会を行いました。

        〈配付資料〉                   〈小笠原産カカオが原料のチョコ〉

ボランティアの方々の豊富な知識は、植生や野生生物、地域の歴史など様々です。巡視や清掃などの活動中に、多くのことを教えていただけるのが楽しみでした。来年、またボランティアの皆様方と安心してお会いできるような日常が戻ってきますよう、祈るばかりです。

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2021年11月30日国指定小湊鳥獣保護区の更新作業

十和田八幡平国立公園 村田 野人

ここ数日、十和田湖の湖畔は雪が積もりすっかり冬の気配がしてきました。道路には雪が残っているところもあります。いらっしゃる際、車のタイヤはスタッドレスタイヤでお越し下さい。

 さて、本日は国指定小湊鳥獣保護区の更新についてです。

鳥獣保護区の水鳥

<鳥獣保護区で羽を休める水鳥>

鳥獣保護区の看板<青森県平内町稲生から狩場沢までの海岸線を含む陸地と沖合1200mが国指定小湊鳥獣保護区です>

 まず、鳥獣保護区についてざっと説明します。日本では、そもそも野生鳥獣(鳥類とほ乳類)をつかまえたり殺したりすることは禁止されています(狩猟や一部のネズミ、海生ほ乳類などの例外あり)。鳥獣保護区は、特に守りたい野生動物種があるときに、その鳥獣を保護するために指定される区域です。鳥獣保護区内では狩猟も禁止されます。設定期間は最長20年とされており、少なくとも20年ごとに守りたい野生動物が減っていないか、今後も守っていく必要があるか判断する更新または解除の作業があります。

 国指定小湊鳥獣保護区は先日10月30日が指定期間の更新の時期でした。詳細は下記の東北地方環境事務所WEBページをご覧下さい。

http://tohoku.env.go.jp/to_2021/post_5.html

 更新のためには、様々な作業があり、私は地元の方との調整や情報の収集を担当しました。鳥獣の有識者の方や地元の自然観察者、鳥獣保護区内で生業を営んでいる農家、漁師、林業、観光業に関わる方など様々な方から国指定小湊鳥獣保護区に関する意見をお伺いするところから始まり、更新する鳥獣保護区の位置を明瞭に示すための図面や情報の収集・文言の確認、専門業者とやりとりしつつGISを用いての鳥獣保護区の様々な数値の計算なども実施しました。これらの仕事は主に令和元年度に行い、上局である東北地方環境事務所に情報を進達し、あとは会議等の重要なタイミングで上局からの質問に情報を整理して回答したり、地元の方へ意見照会する際の事前連絡したり等でした。

 これまで、クマやカモシカなどのための広大な森と山の鳥獣保護区、水鳥が休むため池の鳥獣保護区の更新に携わったことはありましたが、今回のように住宅地や農耕地を含んだ鳥獣保護区は初めてで、最初、関係者の多さに面食らっておりましたが、多くの方の協力を得てまとめ上げることができました。皆様ありがとうございました。

 国指定小湊鳥獣保護区は、オオハクチョウやコクガンなど冬の水鳥たちの生活の場として指定されています。ゴツゴツとした岩でできた磯、白砂青松の砂浜、とうとうと流れる川、いそがしく漁師さんが働く漁港などの様々な美しい景色があります。実はこれらの環境それぞれが水鳥の重要な生活場所になっています。特に平内町の中心部を流れる汐立川(小湊川)の河口は遠浅の海になっており、北東北ではやや珍しい干潟の景色が見られます。折々に訪れてみてください。

 冬は、水鳥たちが漁港の中でのんびりと休んでいて、比較的見やすい季節です。漁師さんの邪魔にならないよう気をつけてですが、バードウォッチングもお楽しみください。

小湊鳥獣保護区の集落<鳥獣保護区内の集落>

夏の小湊鳥獣保護区<1枚目の写真の場所の夏の様子>

夏の小湊鳥獣保護区(礫海岸)<鳥獣保護区内の礫海岸>

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2021年11月26日自然歩道調査③

十和田八幡平国立公園 伊藤 あけみ

住まば日の本 遊ばば十和田 歩きゃ奥入瀬三里半

                     大町桂月

蔦沼をこよなく愛し、蔦沼で終焉を迎えた高知出身の歌人大町桂月も、奥入瀬や十和田湖を愛し歌に歌っていました。

1116日は奥入瀬渓流14キロの歩道調査でした。

奥入瀬渓流がひときわ輝く季節は少し過ぎてしまいましたが、葉っぱが落ちてしまった渓流は、緑濃い時期に比べると見通しがよく、いつもは見えない滝や柱状節理の様子を観察することができます。

歩道は、ブナやカツラ、サワグルミやトチなどの枯れ葉に覆われ、歩くとカサコソと音がしてとても心地良いです。そんな中、来年の為に命を繋ごうとしている植物達の力強さに触れると元気が出るものです。

季節を間違えたようなブナの芽が芽吹いていました。あちこちにランの仲間の緑が目立っています。

虫に寄生する菌から発芽するキノコ、冬虫夏草(トウチュウカソウ)の仲間でしょうか?虫の死骸から何かが出ています。

冬虫夏草は寄生する虫により種類が違い、セミ、トンボ、ガなど世界に500種以上、日本でも400種以上が確認されています。

奥入瀬渓流は、カルデラ湖である十和田湖の水が外輪山の一番低い壁を破って子の口から流れ出し、その膨大な水流が岩を削り幅の広いU字型の谷になったものです。

先日、渋滞対策業務中に会話したお客様が、30年ぶりに訪れた奥入瀬がほとんど変わっていなくて感動した、と嬉しそうに話していたのが印象的でした。

現在は、車で簡単に通り過ぎる事ができますが、かつて歩くしかなかった時代に思いをはせながら奥入瀬渓流を歩くと、感動もひとしおです。

何度となく歩いた奥入瀬渓流ですが、季節や時間、一緒に歩く人などにより、違う風景が見えるものです。