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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

鳥獣保護区管理員のお仕事紹介

2024年04月18日
仙台 鎌田 和子
こんにちは、仙台自然保護官事務所の鎌田です。
先日の3月末で、15年以上にわたり国指定化女沼鳥獣保護区の鳥獣保護区管理員を勤めて下さった管理員さんがご退職され、新たな管理員さんにバトンタッチされました。
長い間、様々な対応していただきまして、ありがとうございました。
化女沼鳥獣保護区の桜は満開
化女沼鳥獣保護区は、ウグイスのさえずりが響き、桜は満開になりました。
今回は、仙台自然保護官事務所の鳥獣保護区管理員のお仕事について紹介したいと思います。

宮城県内の国指定鳥獣保護区は、集団で飛来する渡り鳥の保護のため干潟、湖沼などを集団渡来地として指定し、その環境に合わせた管理が行われています。
国指定仙台海浜鳥獣保護区2名、伊豆沼鳥獣保護区2名、蕪栗沼・周辺水田鳥獣保護区2名、化女沼鳥獣保護区1名の4ヶ所に計7名の管理員が配置されています。
ここ数年間の管理員の皆さまが携わったお仕事は、、、

1.密猟・密放流の防止のための巡視
・密猟が行われていないかを監視する他、特定外来生物のブラックバスやアメリカザリガニなどの密放流が行われていないかも監視していただいています。
・木竹の伐採が禁止されている特別保護地区内において、伐採跡を発見し、仙台自然保護官事務所に連絡してもらうということもありました。
2.利用者の指導
・鳥獣保護区を訪れる方々に、観察できる鳥獣や鳥獣保護区について解説を行います。時には、訪れた方に適正な利用のための指導を行うこともあります。
3.鳥獣の生息状況の調査
・毎月、鳥獣保護区内の鳥獣の生息状況調査を行って頂いている他、高病原性鳥インフルエンザが確認される冬の時期は、鳥インフルエンザにかかった個体の早期発見のため、水鳥の衰弱個体や死亡個体について、特に注意して調査・報告をしていただいています。
4.施設の管理
鳥獣保護区の区域を示した制札や案内板に破損がないか、草に覆われる等して見えなくなっていないか等を報告して頂き、それらの報告をもとに仙台自然保護官事務所において看板の修繕や草刈り等を行っています。
 

 
冬の渡り鳥調査の様子
宮城県北部の鳥獣保護区は、冬の渡り鳥のねぐらになっているので、早朝、飛び立ちのカウントで、沼を利用しているガン・カモ類の羽数を確認しています。
沼に集まるカモの群れ
昨年秋、巡視中の管理員さんから、オナガガモの群れに異常を知らせる電話がありました。それを受けて、仙台自然保護官事務所の巡視の強化につながり、大事には至りませんでした。
交通事故に遭った制札
巡視中、制札が無いことに気づき、連絡を受けて調査したところ、車がぶつかり、10m以上離れたところに飛んでいました。その後、物損事故を起こした方と連絡がとれ、弁償していただきました。
再び設置された制札
管理員さんの報告のお陰で、再び制札は元の場所に設置されました。
毎月報告される「国指定鳥獣保護区管理報告書・調査表」は、国指定鳥獣保護区の管理に重要な役割を果たしていただいており、鳥獣保護区の更新や特別保護地区の指定の際には、報告頂いた鳥獣のデータが基礎データとして活用されています。
鳥獣保護区管理員の皆さまと連携することで、管理業務を適正かつ円滑に行うことができ、鳥獣保護区の維持管理においてはなくてはならない存在です。
これからの1年も鳥獣保護区管理員皆さんと一緒に頑張っていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。