ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

東北地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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白神山地

180件の記事があります。

2017年08月25日遺産地域の看板補修

白神山地 佐々木 春佳

みなさんこんにちは。

短い青森の夏を弘前ねぷた・五所川原立佞武多・沢登り・キャンプなどで満喫しました佐々木です。

今回は、白神山地の登山道沿いに設置している看板の補修に行ってきた様子をお伝えします。

登山口から歩いていると早々に雨が降り始め、ずぶ濡れになって補修する看板を目指します。

お弁当も雨の下でいただき、お昼過ぎに看板へ到着。

白神山地世界遺産地域は核心地域と緩衝地域に分かれ、その登山道沿いの境界には看板が設置されています。

今回は、世界遺産地域と遺産地域外との境界に設置している看板の補修です。早速、補修作業に取りかかります。

[支柱から外れていた板をリべットで固定します。]

[ぐらつかないように支柱もしっかり固定して、作業完了です。]

道を引き返すころには雨は降り止み、セミや鳥の声が聞こえます。さらに気配が。

[カラ類の混群と共にアオゲラさんを見つけました。]

[気づけば私のカッパには小さなカタツムリさんが。]

[ブナに滴る樹幹流もステキでした。]

ついに、登山口近くに来たころにはブナ林に日差しが差し込みました。

天候がころころと変わる今日この頃ですが、雨の日のブナ林もまた魅力的です。

みなさんも白神山地でステキな景色を探してみませんか。

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2017年07月27日津軽峠の風と森

白神山地 髙澤和大

 7月に入り、青森県は津軽地方も暑い日が続いていましたが、ここ数日の過ごしやすい天気に一息ついている西目屋自然保護官事務所の髙澤です。こんにちは。

 

 昨日、調査機器の点検のため、より清涼な風が吹く白神山地の津軽峠へ行ってきました。

 今回のAR日記では、現地の空気感を少しでもお伝えできたらと思います。

 

 最初の写真は津軽峠からの展望。

 世界遺産地域を望み、空の高いところには物憂げな絹雲が漂っています。

 

 絹雲は個人的に秋のイメージ。

 車の気温計は19℃。

 湿度も低め。

 

 暑い日が続いていたせいか、津軽峠を越えていく風に夏の終わりを感じてしまいました。

 まだ梅雨も明けていないというのに!

 

 津軽峠でちょうどお昼の時間だったので、休憩がてら付近を散策します。

 

 今、このあたりで一番目立っているのはエゾアジサイ。

 うっかり秋に浸ってしまった気分を梅雨へと戻してくれました。花の暦は正確ですね。

 飾り花の涼やかな青が、これからも続く暑さを乗り越える助けになりそうです。

 

 

 最後は以前にも登場してもらったブナ巨木、マザーツリー。

 津軽峠から5分ほど歩いた場所にあります。

 

 今年の白神山地は空梅雨に終わりそうでダムの水位なども心配なのですが、植物たちにとっては陽射しを存分に浴びることができたようで、全体的に緑が生き生きしているように感じます。

 

 さて、今回のAR日記は津軽峠を中心にお伝えしました。津軽峠へアクセスするには自家用車だと未舗装路を30分程度走る必要があるため、誰にでも気軽にオススメするわけにはいかないのですが、その分、辿り着いたときの満足感はひとしおです。いつも気持ちの良い風が吹いている場所ですので、ぜひ足を運んでみて下さい。バスも運行されていますよ。

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2017年06月23日今年も「来たか。白神山地」

白神山地 髙澤和大

 白神まるごと体験博覧会が、今年も7月1日~9月30日の期間で開催されることになりました。

 

 さて、唐突に紹介させていただいた白神まるごと体験博覧会とは、白神山地とその周辺地域において、さまざまな体験プログラムやイベントをパビリオンに見立てて集中的に実施しようという企画です。昨年に初めて行われて好評を博し、今年は2回目の開催となります。博覧会の詳細については青森県自然保護課さんの特設ホームページをご覧下さい。

 

「白神まるごと体験博覧会を開催します!」

http://www.pref.aomori.lg.jp/soshiki/kankyo/shizen/shirakamimarugotohakurankai.html

 

 次にご紹介するのは、博覧会で体験できる素敵なプログラムを集めたポータルサイト「白神カレンダー」です。

 

白神カレンダー

http://shirakami-cal.jp/

 

 白神山地に限った話ではありませんが、特定のエリアへいざ遊びに行こうと思っても、意外と「どこに行ったらいいかわからない」、「何をしたらいいかわからない」ということがありますよね。白神カレンダーはそんな時の助け船になってくれる便利なサイトだと思います。白神山地を訪れる目的がしっかり決まっている人も、より良い体験を発見できるかもしれません。

 白神カレンダーは博覧会の期間以外も運用されていますが、期間中はプレゼント企画などが予定されています。サイトから直接参加を申し込むこともできますので、ぜひご覧ください。

 

 まもなくやって来る、北東北の短い夏。この機会に世界自然遺産・白神山地とそのまわりをご堪能ください。

 

夏にオススメの神秘のコバルトブルー、青池(20167月撮影)

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2017年06月08日白神山地にいらっしゃーい

白神山地 佐々木 春佳

みなさんこんにちは。4月ぶりに登場の佐々木です。

通行止めだった道も次々と通れるようになり、自動撮影カメラの設置や巡視などで、お外のお仕事が多い今日この頃です。

今年はとくに残雪が多いようで、西目屋に来てからというもの、雪解け、新緑、初夏へと変化する白神を毎日のように見たり・聞いたり・感じたりと、毎日とても楽しいです。

皆さんも白神のよさを発見してみませんか。

今週末(2017611日(日)10:30から

秋田県主催のイベント「2017あきた白神まつり-大いなる白神の森にいだかれて-」が

八峰町御所の台ふれあいパーク(JRあきた白神駅前)にて行われます。

・飲食・販売・体験コーナーで白神山地の恵みを感じるもよし。

・野外ステージでの歌やトーク、演舞を楽しむもよし。

・ベテランガイドさんが語る白神の魅力を聞くもよし。

・はたまたトレッキングに参加して、実際に白神を歩いてみてもよし。

と、盛りだくさんのイベントです。

我々、環境省からはネイチャークラフトの体験ブースとして、大きさや形状の異なる石にお絵かきをする

ストーンペイントを出展します。

この石、何に見えるかな。 イヌワシかな、ウサギかな。

みなさん、一緒に楽しい週末にしませんか。 会場でお待ちしております。

詳細はこちら↓

http://www.akt.co.jp/events/akitashirakamimatsuri

(トレッキングの参加に関してはお申込みが必要です。まだ定員に達していないコースもあるようです。)

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2017年06月02日白神ライン開通

白神山地 髙澤和大

 こんにちは。

 西目屋自然保護官事務所の髙澤です。

 

 去る5月30日正午、今年もいよいよ白神ラインが開通しました。

 白神ラインとは弘前市を起点として白神山地の北部を横断し、日本海へ至る青森県道28号線の愛称です。一部区間が工事通行止めとのことで、開通とはいうものの現時点では通り抜けることはできませんが、ブナの巨木「マザーツリー」がある津軽峠などにアクセスできるようになりました。

 

 白神山地世界遺産地域を所管する西目屋自然保護官事務所にとっても、白神ラインは遺産地域へアプローチするための重要な道路で、開通後には調査機器の設置などで急に慌ただしくなります。これまでも周辺の道路の冬期通行止めが徐々に解除され、それに合わせて業務を進めてきましたが、本丸といえる白神ラインの開通はシーズンの本格的な幕開けを感じさせてくれます。

 

入り込み数を調査するための機材を設置する佐々木AR

 

標高の高い峠付近や谷には残雪があり、

フキノトウがその端からようやく芽を出していました。

 

登山や山岳道路の運転などで垂直方向に移動すると、

それに合わせて季節が戻ったり進んだりするのが大好きです。

 

半年ぶりに対面するマザーツリー

今シーズンも無事に業務を遂行できるよう、お祈りしました。

 

 なお、白神ラインはいくつもの峠を越えていく山道で、しかも40km超という長大な未舗装区間が残る、なかなかに険しい道路です。事前に情報収集を行うなど、計画的に通行されるのがよろしいかと思います。

 道路の開通状況は下記の白神山地ビジターセンターホームページなどで公開されています。

 

http://www.shirakami-visitor.jp/

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2017年04月28日自動撮影カメラ、はじめました。

白神山地 佐々木 春佳

みなさん初めまして、こんにちは。

 4月から西目屋自然保護官事務所のアクティブ・レンジャー(AR)に着任しました、佐々木春佳です。

私が初めて白神山地に来たのは大学2年の時です。以来、白神の魅力に取りつかれて足を運ぶこと数年・・・

ついに、ARとして白神山地で働くことになりました!

これから、白神の四季の自然や文化、私たちのお仕事の様子もこの日記でお伝えしていきます。

どうぞよろしくお願いいたします。

さて、着任から1ヶ月が経ちましたが、

どんなお仕事をしているかと言いますと・・・只今、自動撮影カメラの準備・設置を行っています。

 自動撮影カメラとは、カメラの前を動物が通るとセンサーが反応し、夜間でも自動で動物を撮影してくれる優れものです。そこで私たちは、森の中で動物たちが通り道として使っていそうな獣道などにこのカメラを

設置し、白神山地にどんな動物たちがいるのかを調べています。

 冬の期間は、自動撮影カメラの調査はお休みしていてカメラも撤去していたのですが、最近は、事務所の前の雪もすっかり溶け、閉鎖されていた道路も開通するそうなので、順次、自動撮影カメラを設置していきます。

昨年度までは、白神山地周辺町村の役場の方などにも協力いただき、合計32台の自動撮影カメラを設置しました。

(写真1)これがうわさの自動撮影カメラです。今年度から雨よけの傘も付けました。

(写真2)残雪のブナ林にて、動作確認のため野生動物になりきる髙澤AR。

右端に映っているのが自動撮影カメラ。

ところで皆さん、近年、白神山地やその周辺でニホンジカが出没していることをご存じですか?

 自動撮影カメラには、白神山地に生息しているツキノワグマやニホンカモシカニホンザルなどが撮影されることが多いのですが、白神山地には長らく生息していなかったとされるニホンジカもここ数年で撮影されることが多くなっています。

これで、ニホンジカが白神山地に侵入しつつあることは分かったのですが、これから白神山地のどこに行く

のかまでは分かりません。そして、白神山地にニホンジカが住み着いてしまうと困ったことになるだろうと、多くの人たちが心配しています。

(なぜ困ったことになるのかは、機会があれば日記に書きます。「待てない!」「気になる!」方は

ぜひインターネットなどで調べてみてください。)

そこで、今年度も自動撮影カメラを設置し、関係機関と協力してニホンジカの侵入にも目を光らせる予定です。

今年度の調査結果は、後日みなさんにもお伝えできればと思います。

ちなみに、昨年度に撮影された動物たちの様子は、以下のAR日記をクリックしてご覧ください。

夏毛のお猿さん編(2017年1月18日投稿)

小動物、キツツキ編(2017年2月13日投稿)

ニホンカモシカ親子編(2017年2月15日投稿)

(あ!! 早速ニホンジカを発見!?)

「違うよっ、僕はニホンカモシカだよ!よく見てね~」

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2017年02月15日白神山地の大きい生き物

白神山地 野原七恵

西目屋自然保護官事務所の野原です。

またまた、センサーカメラの調査結果から白神山地に生息する生き物を紹介したいと思います。

前回は小動物を紹介したので、今回は調査対象でもある大型の動物を紹介します。

http://tohoku.env.go.jp/blog/2017/02/post_201.html

↑前回の日記

↑カモシカです

この写真を撮影した調査地点は、ニホンジカの侵入経路の監視のために設定した場所で、世界遺産地域よりも里に近い場所になります。

カモシカは国の特別天然記念物に指定されていますが、人里近くまで山から下りてくるので、けっこう身近な存在です。

カモシカはシカという名前がついていますが、鹿とは違い牛の仲間で、基本的には単独で縄張りを持って生活しているそうです。

この場所は何頭かのカモシカの縄張りの一部もしくは通り道のようで、同一個体と考えられるカモシカが頻繁に撮影されます。

↑ある6月の春の日の写真

基本的には単独で生活しているカモシカですが...

3連写で撮影している写真の内1枚を拡大して見ると...

子カモシカが!!

まだ産まれてからそんなに時間がたっていないのか、お母さんと比べると小さくて可愛いです!

↑7月

お母さんにくっついて歩いています。幼獣は、生後1年間は母親と生活するそうです。

↑9月

お母さんが近くにいますが、それぞれのんびりと食事中のようです。

ずいぶんと大きくなったような...?

↑同じく9月。2ヶ月で急成長!?

ぱっと見ただけではどっちが子どもか分からないくらい大きくなりました。

西目屋自然保護官事務所では、今年度は全部で32台の定点カメラを設置しており、誤作動の写真(葉っぱが風で揺れた動きに反応して撮影した写真など)も含めると、かなり膨大な数の写真を集計することになります。

一枚一枚確認して何の動物か同定する作業は、なかなかの大仕事です。

目が疲れる大変な作業ですが、ほのぼのした写真を見ながら親子の成長観察などをしていると、とても癒やされます。

結果として公表しているのは撮影した動物の数だけなので、こんな写真もいつもは私が1人で楽しんでいました。

↑オマケ...私が個人的に気に入っている子カモシカの写真

H25年に世界遺産地域に設置しているカメラで撮影されました。顔の周りだけ茶色いという個性がある子です。

上で紹介した親子は顔の周りが白くて体毛もふわふわした感じですね。

カメラ調査の写真を見ている限りでは、白神山地周辺のカモシカだけでも毛が短めの個体もいれば、毛の色も白かったり濃い灰色だったりと個性があるようです。

↑今、白神山地周辺では分布が拡大していて話題のニホンジカ

カモシカは白神山地の山を歩いているとたまに出会うこともあり、私にとってはいるのが当たり前の動物です。

しかし、基本的に縄張りをもたず(繁殖期のオス以外は)、群れで生活するニホンジカの分布拡大により、今後は生息地が脅かされる可能性も考えられます。

これからも西目屋自然保護官事務所では、ニホンジカが白神山地周辺にはどれくらい侵入してきているのか監視しつつ、カモシカも含め他の動物も見守っていきたいと思います。

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2017年02月13日白神山地の小さい生き物

白神山地 野原七恵

西目屋自然保護官事務所の野原です。

前回に引き続き、センサーカメラの調査結果の一部と白神山地に生息する生き物を紹介したいと思います。

http://tohoku.env.go.jp/blog/2017/01/post_193.html

(前回の日記も合わせてご覧ください)

このカメラ調査では主に白神山地に生息する中・大型哺乳類の種類を調べています。

(中型哺乳類といえば例えばタヌキやニホンザル、大型哺乳類といえばツキノワグマやカモシカなど)

目的としている中・大型哺乳類の他にも小さい動物が写ることもあるので、紹介したいと思います。

↑この写真の中に可愛い小型哺乳類が写っているのですが、どこか分かるでしょうか。

少し拡大してみました。

木の幹に注目!赤丸で示したところ、目が反射して光っているのが分かりますでしょうか。

何か生き物がくっついています。

同じ201610月の別の日の写真です。左下の方で木の幹から、何か飛び立ちました。

この動物の正体は.........

モモンガです!

↑の写真は同じ調査地点で、2015年に撮影しました。拡大すると、大きな目と長い尾がよく分かります。

この木では何回かモモンガが撮影されているため、カメラ調査の結果から「モモンガの巣穴がある」、もしくは「なわばりとしている」のかもしれないということが分かりました(あくまでも推測ですが)。

冬はアクセス道路が冬期閉鎖されてしまっているので、巣穴があるかどうか、確かめに行けないのが残念です!

モモンガは樹洞やキツツキの古巣などの木にあいた穴を巣として使って生活しています。

この調査地点ではキツツキの仲間のオオアカゲラも撮影されました。

ちなみに、モモンガがなぜ木の上で生活しているかというと捕食者を避けているからです。

同じ場所で、モモンガの天敵のテンもばっちり写っていました。

白神山地はブナ林が大規模に残っていて、そのブナ林の中で多様な生き物たちが関わり合いながら生息している「生態系」の豊かさが認められて世界自然遺産に登録されました。

まだ始めて4年しか経っていない調査ですが、撮れた写真からだけでも生き物同士の繋がりが見えてくるようでした。

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2017年02月10日滝と観測

白神山地 髙澤和大

 こんにちは。

 西目屋自然保護官事務所の髙澤です。

 

 西目屋自然保護官事務所が位置する西目屋村には、古くから作物の豊凶を占う神事が行われるなど、津軽地方のみならず広くその名を轟かせた乳穂ヶ滝(におがたき)という滝があります。

 

 上は2012年2月17日のAR日記から転載した乳穂ヶ滝の写真です。まるで神殿の巨大な柱のように、美しい柱状の氷瀑を作り出すことが特徴です。滝そのものについては2012年の当該記事において詳しく紹介されていますので、そちらも是非ご覧下さい。

 

 さて、今冬の乳穂ヶ滝はというと...

 

2017126日の様子。徐々に成長しているところです。

(写真右側が乳穂ヶ滝。左側はただの氷柱です。)

 

201727日の様子。残念ながら折れてしまっていました。

(ちなみに地元小学校への出前授業のために何度か足を運んでいます。)

 

 今後の気象条件によっては再び氷柱が成長し、立派な氷瀑となる可能性はあります。そのように氷柱が滝壺に達して一本の柱状になることが見どころというわけですが、必ずしも氷柱が毎年そこまで成長するわけではありません。近年に完全氷結した年は、西目屋村の広報誌によると2014年、2013年、2012年、その前は2008年ということです。

 

 ところで話が変わりますが、西目屋自然保護官事務所では自然保護官事務所としては珍しく、本格的な気象観測を行っています。気象観測は気象庁が行うものでは?と思われるかもしれませんが、必要に応じて他の行政機関などが独自に気象観測施設を備えること自体は珍しいことではありません。

 西目屋自然保護官事務所は白神山地の自然環境をモニタリングするため、3箇所の気象観測施設を設置しています。この内、乳穂ヶ滝にほど近い西目屋気象観測施設のデータを見てみます。

 

 上の図は2017年1月9日から2月8日までの1ヶ月間における日平均気温を、3日間で移動平均した値をプロットしたものです。寒暖のサイクルがよく分かると思います。1月26日まで順調に成長してきた氷柱は、その直後の暖気には耐えたものの、2月5日のピークに耐えきれずに崩落してしまったようです。

 

 次に、直近7年間の1月の月平均気温をプロットした図を見てみます。2013年の西目屋気象観測施設が欠測でしたので、参考として気象庁アメダスの弘前地点のデータを併せて載せてみました。完全氷結した2012~2014年は-3℃~-4℃の値ですが、2015年以降はやや高い値になっています。2011年は2014年と比べると低い値ですが、氷柱の成長には寒さだけでなく寒暖のタイミングが重要らしいので、寒い方が良いと一概に言うことはできません。

 各年の気温の推移を詳しく分析していけば深い考察が出来そうですが、私は氷柱の研究者ではありませんので、データ弄りはこの辺にしておきます。

 

西目屋気象観測施設と世界遺産センター西目屋館

 

 先ほども触れましたが、西目屋自然保護官事務所の重要なミッションの一つに白神山地の自然環境のモニタリングが挙げられます。世界自然遺産として登録された価値を将来にわたって保全していくため、自然環境の推移を見守り、変化があれば原因を追及し対策を講じることも我々の役割です。

 ひるがえって乳穂ヶ滝では、冒頭で紹介したように古くから作物の豊凶占いが行われ、かつてこの地を治めていた津軽藩も滝の氷結具合を観測に来ていたとされています。その目的は年貢の徴収や飢饉の予測などの治政のためであったと想像できますが、継続的な観測という行為自体は現代のモニタリングに通じるものを感じます。

 

 乳穂ヶ滝を眺めながら、目的や対象は違えども似たようなことをやっていた先人達に想いを馳せてみました。

 

 最後になりますが、乳穂ヶ滝の豊凶占いは現代も続いています。毎年2月第3日曜日の「乳穂ヶ滝氷祭」において、豊凶占いや火渡荒行が行われています。今年は2月19日になりますので、ご興味を持たれた方は是非訪れてみて下さい。

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2017年01月18日白神山地の生き物たち

白神山地 野原七恵

1月もあっという間に中旬ですね。

ここ数日の降雪でやっと雪深い西目屋らしくなってきました。

ほとんどのアクセス道路が冬期閉鎖され、約半年間は山に行けない西目屋自然保護官事務所では「冬は何のお仕事をしてるんですか?」とよく聞かれます。

「白神山地世界遺産センターの雪かきです!」とよく答えます。

半分、冗談ですが...多い時には朝昼晩と雪かきをしなければならない西目屋村ではけっこう重要なお仕事です。

残り半分の私の冬の仕事としては、春から秋にかけて実施していた調査で収集したデータの取りまとめなどを主に行っています。

調査の一つにセンサーカメラによる哺乳類の調査があります。

↑写真の様に、森の中に前を動物が通るとセンサーが反応して自動で撮影するカメラを約30台設置しています。

白神山地にどんな哺乳類が生息しているのかを調べることが目的ですが、ここ数年で増えてきているニホンジカが白神山地まで侵入してきているかどうかも監視しています。

このカメラで撮影した写真データを整理している中で、調査の成果としては発表しませんが、個人的に面白い!と思ったことを皆さんにお知らせしたいと思います。

「6月27日」

ニホンザルの後ろ姿です。

5月まで山には雪がある白神山地では6月でもまだ冬毛なのか、ふわふわした毛で可愛らしいです。

「7月1日」

同じくニホンザル。

同じ場所での撮影です。


「7月3日13時20分」

???

「7月3日13時52分」

!!!

「7月3日13時52分(拡大)」

何と30分前には毛が抜けかけでボサボサだったニホンザルさんが、あっという間に夏毛のスッキリした姿に!

6月27日と7月1日に撮影した個体と同じ個体かは後ろ姿だけでは断定できませんが、平成28年には7月3日に撮影した個体はこの日に夏毛に変わったことが分かりました。

なかなか山に頻繁に行っていても、動物に会えるチャンスは限られています。

直接は見ることができなかったことが分かるのも、カメラ調査の面白いところです。

そんな過ぎ去ったサル年での発見でした。

ちなみに昨年度までの調査成果は、概要をまとめたものを白神山地世界遺産センターのホームページで公開しています。

http://tohoku.env.go.jp/nature/shirakami/monitoring/

興味のある方はぜひご覧ください。

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