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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

20年目のブナ林モニタリング調査開始

2018年08月08日
白神山地 佐々木 春佳

みなさん、こんにちは。

本年度も、白神山地のブナ林モニタリング調査が始まりました。

先日の7月の調査では、6月に設置したリタートラップ(落ち葉などの量を調べるためのネット)に1ヶ月間で溜まった枝葉や種子の回収をしてきました。

リタートラップに溜まった落ち葉[回収前のリタートラップの中]

ブナ林とリターを回収する調査員2人[リタートラップに溜まった落ち葉などを回収用の紙袋に入れる調査員]

今はまだ僅かな落ち葉と、昆虫の食害を受けて落ちたブナの種子しか入っていませんが、秋になれば結実したブナの種子もたくさん落ちてきます。

リタートラップに落ちる葉や種子の量は毎年同じではなく、年によって異なります。どのくらいの種子が落ちるのか調べることで、ブナの豊凶も明らかになるのです。

種子の豊凶のみならず、一見変化の少なそうな白神山地のブナ林を継続して観察・記録することで、その変化に気づき、白神山地を保全するための重要な情報を得ることができます。

(この調査以外にも継続した調査がいくつもあるので、興味のある方はぜひ、モニタリング計画に基づく調査の実施状況や結果概要をご覧になってください。

○モニタリング計画:http://tohoku.env.go.jp/nature/shirakami/monitoring/

そして平成30年度の今年は、調査が始まってから20年目の節目を迎えました。白神山地の緩やかな変化を追うためには息の長い調査が欠かせませんが、今後も安全に継続できることを願うばかりです。

[番外編]

調査中、動物たちに出会うことが度々あるのですが、今回はアカネズミとニホンザルの出会いをご紹介します。

上から撮ったアカネズミ[人間に見つかって硬直していたアカネズミ。

その後、一瞬の隙をついてピョンピョンと跳びはねて森の奥に姿を消しました。]

木の上で樹皮を剥ぐニホンザルの子ども

[白神山地が一望できる津軽峠でニホンザルの一団に出会いました。

大人のサルたちは声をあげて茂みに消えたのですが、子どもたちは警戒不足のよう。樹皮を剥いで食べている様子を見せてくれました。]