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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

「白神タイム」~スノートレッキング編~

2021年01月27日
白神山地 神孝子

みなさん、初めまして。西目屋ARの神です。

白神の山々も長い休息期間に入り、春が待ち遠しい季節となりました。

今年はここ数年で一番の大雪で一体どうなる?と心配したのですが

今日(1/27)は、日中の最高気温が6℃という3月並みの気温!

不気味な暖かさと言いますか、山の木々達も春だと勘違いしそうな気温です。

さて、今日は地元西目屋小学校の子供達と里山の「フィールドサインを探しに行こう!」

ということで津軽ダム周辺にスノートレッキングに出掛けました。

西目屋小学校では4年生から6年生まで、総合学習の一環として、

毎年、学年毎にテーマを考え、白神山地や自然について学んでいます。

私達アクティブレンジャーも微力ながら、そのお手伝いに行っています。

今回は4年生の「レッツ白神探検隊」に同行。

朝のうち残った雨にも負けずフィールドサインを読み取ろうと目を凝らします。

おっ、何かの足痕を見つけました。

これは何の動物の足跡でしょう。

タヌキかキツネか・・・

ルートを辿っていくと、子供達が「右に左にふらふらして、酔っ払いオヤジみたいだからタヌキだ。」

との声。

なるほど、「タヌキは酔っ払いオヤジ」か・・・。

子供って発想が面白くてかわいい。

「キツネはまっすぐ歩くからモデルさんだ。」など独自の見分け方を教えてくれました。

雪の下でも植物や生物が凍らない秘密を見つけたようです。

土の中からミミズを見つけました。

急に寒さを感じてビックリしたのか、

クネクネと勢いよく動いています。

(ミミズさんごめんなさい!)

さすが目屋っ子、ミミズなんてへっちゃら。



いつ見てもほっこり笑わせてくれるオニグルミの冬芽。

葉痕が羊顔とよく言われますが、みなさんは何に見えるでしょうか?

この頃思うのですが、外遊びをしている子供達がめっきり少なくなった気がします。

放課後、子供達の笑い声が聞こえてこないというのは何とも寂しいことです。

昔は、外での遊び方なんて教わらなくても、自由気ままに遊び回るのが子供でしたが、

近頃は事情が違うようです。


なんでもかんでも危ないからと、先回りをして危険を取り除く大人達に囲まれ、

不自由じゃないけど自由じゃない子供達。

山や川に子供達だけで行くなんてあり得ないことでしょう。

擦り傷をつくって帰ろうものなら、それこそ大騒ぎです。

外で遊ばせる時は大人が見守り(監視?)、絶対にケガをさせないシステム作りに一生懸命です。

子供は外での遊びを通して、危険回避能力を徐々に身につけていくものです。

それは自然に接することで、呼び起こされる人間の本能だと思います。

その機会を大人達が奪っているような気がするのは私だけでしょうか。

北国の山は半年間、雪に閉ざされます。

冬は寒くて山に行きたくないという人が多いと思いますが、

山に行かなくても里山でも十分楽しめます。

近くの公園でも良いので、冬芽の観察をしてみると

今まで気づかなかった面白さにハマりますよ。