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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

アスピーテラインが開通しました

2024年04月18日
鹿角 戸澤 綾子
4月15日(月)晴天の下、八幡平アスピーテラインの冬季通行止めが終了し、秋田県側と岩手県側を車で相互に行き交うことができるようになりました。
私も翌16日に秋田・岩手の交差地点である見返峠へ車を走らせました。
このところの高温で、頂上付近にどのくらいの残雪があるか気になります。
壁
秋田県鹿角市からアスピーテラインを走り始めて5,6分、十和田八幡平国立公園のゲートが見えてきます。
といってもまだ3分の1しか顔を見せてはいませんね。足下にはこのあたりで「ばっけ」と呼ぶふきのとうがちらほら。

今日は大沼を通り過ぎ、そのまま一路、見返峠へ。
壁
見返峠の駐車場から岩手県側を見た様子です。
壁
壁には赤字で「最高積雪高 10.5km 6.0m」と書かれています。
例年ほどの高さはないようですが、それでも圧倒される雪の壁。
せっかく来たのですから、ドラゴンアイこと「鏡沼」の様子も見てみましょう。
壁
まだおやすみ中。ロープが張ってあります。中には入らないでください。
かつては、ここに沼があると知っていても、あまり注目されることのなかった景色でした。ところが少しずつ雪が溶けて青い水面を見せていく様子が竜の眼のようだ、とドラゴンアイと名付けられてからは一気に知名度を上げ、驚くほど多くの方がこの地を訪れるようになりました。
今年はいつ頃、どんな眼を見せてくれるのだろう、と思いを巡らせつつ先へ進むと、あれ、小さいながらも眼があるではありませんか。
壁
え、眼が開いてる・・・
鏡沼の北にある小さく隣り合った二つの沼、メガネ沼の片方です。もう片方はウインクしていましたが、片眼はぱっちり。(両方一緒にカメラに収めたかったのですが私の技術ではムリでした。)
なんだか得したような気持ちになって先へ進むことにします。
壁
雪が残るコース上にはこのように竹竿にピンクテープが付いた道案内があります。
歩道は隠れていますが、これを目印に歩けば安心です。
壁
ピンクテープを頼りに歩き進むと、木造のデッキと 300 と書かれた丸いプレートが見えてきました。なんと、これ山頂の展望台です。
壁
こちらは雪がない時期の展望台
壁
こちらの写真、私が斜めにカメラを構えたわけではありません。
その証拠に背後の岩手山はまっすぐ立っています。オオシラビソの木々が強風に吹き付けられ左側に傾いでしまっているのです。冬は雪や氷がまとわりついて樹氷となり、アイスモンスターと呼ばれるオオシラビソですが、春を迎えると白い着物を脱がされ少々うつむき加減で、主役を花々に譲り脇役に徹します。そんなオオシラビソはマツ科の爽やかな香りがして、近くを歩くと癒やされます。
壁
ピンクテープに沿って歩きます。ガマ沼が見えてきました。雪解けがかなり進んでいます。
壁
そして八幡沼。
八幡沼はまだ水の様子がはっきりとは分かりませんが、それでも雪解けが例年より早いようです。
写真左端にスキーを履いた登山者の姿が見えます。この季節ならではの八幡平の楽しみ方です。
壁
刻々と姿を変える八幡平、この瞬間を楽しみにぜひお越しください。
お越しの際は風を通さない上着や日焼け対策を準備してください。また、雪上を歩く際は踏み抜きなどにご注意ください。(見返峠のパークサービスセンターでは長靴のレンタルサービスも行っています。)
アスピーテラインは当分の間、17:00~翌日8:30は夜間通行止めとなります。また、樹海ラインは4月26日(金)に終日通行止めが解除されます。