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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

【実施報告】 自然観察会『森吉山麓高原のスギ原生林を訪ねる』

2009年08月18日
秋田
 久しぶりにここのサイトも更新されました。これからは通常体勢に戻ります。皆さんもそろそろ夏休みが終わり通常体勢に戻ったのではないでしょうか?この時期いつも思います・・・学生が羨ましい(^^);


 先日の日曜日、森吉山麓で自然観察会を実施しましたのでご報告いたします。
 企画の段階で「お盆の時期に参加者が集まるのかね?」という意見もありましたが、「帰省客も一緒に参加して貰いたい」という狙いがあってこの日に設定したのだとか・・・
 で、帰省中の方の参加はあったのか?というと・・・残念ながらゼロ。企画段階での狙いははずれました。それでも地元北秋田市を中心に21名の方々に参加していただきました。その中には観察会の実施主体である森吉山野生鳥獣センター運営協議会会長である北秋田市長の顔もありました。地元の方は市長と一緒に観察会に参加できると喜んでいたようです。

 さて、今回の観察会は国指定の天然記念物に指定されている「桃洞・佐渡のスギ原生林」のある高場森に天然杉の巨木を訪ねるものです。この日記でも取り上げたことのある高場森の標高は900m。スギの自生地あるいは生育適地とは大きくかけ離れた環境です。
 当地には(他の地域でもそうでしょうけど・・)『峰に松、なかほど檜、ふもと杉』と山の木の生育地を表す言葉がありますが、本来杉は山の麓の肥沃な土壌を好むそうです。では高場森の天然杉はどうか?というと、豪雪&強風にさらされている山頂部にあって、しかも樹高は周囲の広葉樹に比べて遙かに高く厳しい環境にあっても逞しく生きている特殊なスギ原生林です。



 今回は(も?)東北森林管理局OBの方々を講師に迎え、スギ三昧の観察会としました。


 高場森山頂付近の天然杉。一部折損しているものの見事な大木です。


 写真はちがう場面ですが私も自分の経験を生かし(?)年輪を観察しながら、その時の世の中はどうなっていたのか?歴史番組風に解説してみました。


 鹿角の大堀ARが報告してくれている観察会は、普段余り注意してみないイネ科の植物や地質・岩石にスポットをあてたもので、参加者の感想にも驚きや新鮮さがあるようですよね?
 これまで、観察会はその時期その場所にあるものを題材に色んな話をしてきていましたが、狙いをしぼってその道の専門家と歩く観察会も実に良い物だな!!と感じました。
 さぁ次回(9月)は地質的な観察スポットが豊富な小又峡コースで行います。今回感じた”手応え”を次回も感じる事が出来るような内容にしていきたいと思っていますので是非ご参加下さい。