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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

寒さに耐えるオオハクチョウ

2008年02月14日
秋田
 昨日の未明から日本海側を今期最大級の寒波が襲い、暖かかった週末から打って変わって猛烈な地吹雪が吹き荒れています。昨日の大潟村もほぼ終日地吹雪に見舞われました。今日も秋田県内ではJR羽越線はじめ多くの電車が運休したり大幅な遅れが出ています。道路の方も通勤時間帯はいつも以上の渋滞でした。

 最大級の寒波は我々の生活に支障をきたすほどのものでしたが、野鳥たちはどの様に過ごしているのでしょうか?当然ながら野鳥たちは野外で過ごしています。「こんなに寒い中、鳥は平気なのかな?」って思ったことはありませんか?
 鳥も私たちと同じ恒温動物で、外気温にかかわらず体温を一定に保っています。体温は我々よりも高く、およそ40度前後だそうです。体の部分は羽毛が重なり合いその中に空気の層が作って外気を遮断して体温を保ちますし、羽の無い足の部分も「ワンダーネット」と呼ばれる網目状に発達した血管・毛細血管が高密度に存在し効率よく足の体温を維持しているそうです。
 寒い中でも水に入ったり、氷の上を歩いたり、雪の上に寝たり出来るのはその体の仕組みが備わっていればこそなのですね。

承水路の水面が僅かにのぞいたエリアに身を寄せ合って過ごすオオハクチョウ。

 しかし昨日のような猛烈な風が吹き荒れた時はさすがに鳥たちも寒かったようです。風が止んだ僅かな時間に観察したオオハクチョウは足を体の下に折りたたみ、嘴を翼の中に入れて猛烈な風と寒さをしのいでいました。こうすると更に体温の維持効果が上がるのだそうです。
 我々人間の場合、例えば全力疾走をする前には準備運動が必要ですが、鳥の場合はこうやって体温を維持することで、何か危険が迫ったと時には直ぐに飛び立てるような体制を常に維持しているのだそうです。
 丸くなって眠っているようにさえ見えますが、よく見ると何羽かの「眼」が見えます。周囲への警戒は怠っていません。そんな中でも息を抜く瞬間があるのでしょうか?こんな愛嬌を見せる時もあります。

風の止み間に見られたリラックス(?)した瞬間。同じ姿勢は辛いのでしょうね?あくびをしたり足を伸ばしたり・・体に着いた雪をはらったり・・