東北地域のアイコン

東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

今は狩猟地として

2007年12月05日
秋田
 最近、大潟草原鳥獣保護区の管理員さんと話をすると「管理棟の周りはすっかり寂しくなった」と言うのが決まり文句です。春~夏にかけては小鳥が賑やかだったし、先月中頃までは池の中にカモがたくさん見られたのですが今ではそれも「・・夢のあと」といった雰囲気です。

 そんな中で時々姿を現すのがチュウヒやオオタカです。チュウヒは下をキョロキョロ見渡しながら旋回し、オオタカはお気に入りの木に留まって辺りを見渡している。そんな姿を見ることができます。まさに「獲物を探す」といった様子です。是非その瞬間を見たくて彼らの姿を追うのですがなかなかその機会には恵まれません・・。

 先日、管理棟前のヨシ原を歩いていると鳥の羽が散乱した現場を見つけました。捕食されたことは一目瞭然です。そこにはたくさんの羽が散乱していましたが黒っぽい地味な羽が多く「捕食されたのは何かな?」と色々考えながら拾っていました。間もなく緑色の光沢を放つ特徴的な羽を見つけました。「あっコガモだ!やっぱり可哀想だな・・」などと複雑な心持ちで拾い続けるとどうも別の鳥の羽が混じってきました。「あれっ?」と思い、立ち上がって見渡すと数は少ないですが確かに別の鳥の羽も散乱していました。こちらはまだフワフワ感が残っていたので大半は風で飛ばされたのでしょうか・・その柔らかい羽を集めながら「キジかな?」と見当をつけて帰ってきました。

【コガモ♂】の羽。

【キジ♀】の羽。

 事務所で図鑑を使って調べてみるとどちらも見当通りだったようです。大潟草原は営巣地、繁殖地、休息地、中継地などと時期によって、また鳥の種類によって様々な性格を持っていますが、今はチュウヒやオオタカたちの狩猟地となっているようです。捕食される側から見れば終焉地となるのでしょうか・・これからもっと色々な性格が見えてくるようにアンテナを張っていかないと!!と思っています。

 そう言えば・・先日管理員さんからこんな話を聞きました。「このあいだ、管理棟から見える池の辺りでオオタカがゴイサギを捕らえたんだよ!いつもの木にずっと留まっていて狙いを定めたんだろうな~いきなり飛んであっという間にゴイサギを捕まえたんだよ!!仕留めるのもあっという間だった。それからオオタカは時々周りを気にしながら1時間20分くらいで食べ終わった。ずっと見てたけど凄かったな!!いや~興奮した!!」と言うことでした。やっぱり私もそんな現場見てみたい!!