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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

キヒラタケ

2010年11月08日
秋田
 昨日に「立冬」を過ぎ、暦の上ではもはや「冬」ということになってきましたが・・・平野部では今が紅葉の見頃。今期は山の上から平野まで紅葉が下ってくる速度が遅く、いつもより長く「秋」を楽しむことが出来ています。週末に見た紅葉もキレイだった!!



 今期は友人から「今年はキノコにはまったの?」と聞かれたので「えっ?どうして解ったの?」と言ったら・・・「アクティブレンジャー日記を見れば直ぐに解るでしょ!」とつっこまれました^^。ハイ確かに!!今期は色んなキノコを覚えたな~。
 さて、そのキノコですが山には雪が降ってつもり始めたからもうそろそろ終わりでしょ?と思われるかも知れませんが、まだまだいイケますよ。今日はこの時期でもまだ見られるキノコの中から【キヒラタケ】を取り上げました。


 ブナの枯死倒木に密生していた【キヒラタケ】です。かなり密生していたのですが・・・この写真からは伝わらないですね・・・スミマセン。
 このキノコ傘の上面には密に「毛」が生えています。この日は時折霙が降る生憎の空模様でしたから表面が濡れて毛がまとまってしまっています。
 

 傘を裏から見るとこんな感じです。ひだが密に見られますね。

 ヒラタケの仲間ですから食べられそうですけど、この【キヒラタケ】毒性はないものの肉質が固く、食用には向かないみたいです。
 よくキノコは「食用」と「食用ではない」キノコに分けられますが「食用ではない」キノコには毒性があるもの、毒性はないものの何らかの理由で食用には向かないもの、等があるようです。
 野山に咲く花にも食用にされる花がありますが、花は主に観賞用として受け入れられているようで山菜やキノコのように採取の対象になる事はそれほど多くはないようです。キノコはどちらかというと食材として受け入れられていて「食用」キノコだけに光が当てられているような印象を持ちますが、キノコ全体から見れば「食用」のキノコは少数派で大半のキノコは「食用ではない」キノコです。

 またキノコはそれ自体をじっくり観察する対象としても大きな魅力を持っているように感じます。地元で「キノコに詳しい」とされている方々もそのほとんどは食用キノコやそれが生えている場所に詳しい人達で、食用ではないキノコにはあまり関心がないようでした。
 キノコはもっともっと鑑賞、観察の対象とされてもいいと強く思っています。発生時期も雪解け直後から始まって雪が降り積もる頃まで続きますから野の花を観賞するよりも長く楽しむことが出来ます(雪が降らない地域、雪が少ない地域ではこの限りではありません)。


 今からでもまだ間に合います。皆さんも身近なキノコに注目して観察してみて下さい。