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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

『野鳥の識別及び高病原性鳥インフルエンザ防疫研修会』

2013年11月01日
秋田
 いよいよ野鳥の”渡り”が本格化してきました。この時期には各種調査に向けて、あるいは不測の事態に備えて色々と準備をしておく必要があります。
 10月29日(火)、秋田県生活環境部自然保護課は平成25年度「野鳥の識別及び高病原性鳥インフルエンザ防疫研修会」を実施しました。私は『野鳥の識別研修』の講師を務めました。
 この研修の対象は全国一斉カウント調査などの「渡り調査」を実施する県内各地域振興局の担当者と県内各地で活動する鳥獣保護員で、この日は26名の方々が参加されました。


 会場は、大潟草原鳥獣保護区管理棟とその周辺で、先ずは管理棟の2階で大潟草原鳥獣保護区管理員の加賀谷さんと私が日頃、実際の調査時に行っているカウント方法などをお話しし、その流れで行う識別に仕方などについて概要説明を行いました。


 カウントの仕方などは調査員によってやり方が異なるかも知れませんが、幸いにも加賀谷さんと私が行っている方法がほぼ同じでした。
 調査地に到着してまず行う事。それからどのような調査を行っているか順を追って、具体的にお話しさせていただきました。



 と、室内で話を聞いただけではピンとこない部分もありますので、実際に鳥獣保護区内の「南の池」でカウントの仕方を、またこの時期種類のカモがやってくる「北の池」で識別を中心に現地研修も行いました。


 この時の「南の池」にいたカモ達はいつもより少なめで、直ぐに見つけられる水面には60羽ほどしか見当たりませんでしたが、カモは岸辺の草などに隠れるようにしている事も多いもの。双眼鏡でよーく探すと結構な数のカモが潜んでいるのが分かりました。また一見『カルガモしかいない』ように見えましたが実際にはコガモやマガモ、カイツブリやオオバンなどもいる事が解りました。
 「北の池」には数百羽のカモ達がいましたが、識別研修にはもってこいの状況でマガモ、コガモ、ヒドリガモ、オナガガモ、ハシビロガモなどのカモの他、近年県内各地で生息が確認されていて、実際の調査時にも観察する可能性が大きいカンムリカイツブリも観察できて、かなり実践的な研修が出来ました。


 参加されている皆さんも、このあと計7回の調査が予定されているとあって、真剣に取り組まれていて、とくに識別に関してはかなり細かな質問をされる方もいました。今回の研修でお話させていただいた内容が実際の調査に役立てていただければ、こんな光栄なことはありません。参加された皆様、主催された自然保護課の皆様、お疲れ様でした。