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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

安の滝現況

2011年09月08日
秋田
 森吉山麓にも台風12号が残した爪痕が残っていました。森吉山野生鳥獣センターへと向かう途中に杉の倒木、某林道では道をふさぐようにブナの倒木が見られます。この他にも枝の落下などが多数見られました。
 それでも森吉山野生鳥獣センターや周辺の森吉山麓高原一帯へ行く際には特に支障はありませんのでご安心を。



 このところ「災害」が続きます。森吉山鳥獣保護区内の人気コースである『安の滝』にも災害の爪痕が大きく残っています。この流れでは台風による被害のように思われそうですが、『安の滝』付近の災害は7月上旬に起きたのだそうです。


 『安の滝』への歩道入口に立てられている注意喚起看板です。秋田県自然保護課と北秋田市商工観光課との連名で、写真入りで詳しく現地の状況を教えてくれています。
 私は事前にこうした情報を聞いていたので特に感想も無かったのですが・・・遠方より『安の滝』に来られた方の中には『此処まで来てこんな事を言われても・・』とおっしゃる方がいました。その方は『此処まで来たから行くけどなんだかな・・』と腑に落ちない様子でした。

 こうした情報は(一応)北秋田市観光案内所の掲示板や北秋田市HPに掲載されているのですが・・・・
 より詳細な情報はこちら



 こちらが現在の『安の滝』展望所の様子です。展望所への立ち入りも規制されています。例年であれば「虹を湛えた安の滝」をカメラに納めようと大勢のカメラマンがやって来る季節です。またこれから先は「紅葉の安の滝」を狙って多くのかたが訪れるのですが・・・。


 この展望所から上部を伺ってみると、いきなりこの様な土砂崩れの現場が見えます。この土砂が展望所に直接流れ込む可能性は地形から見て少ないかも知れませんが、安全とは言えない状況です。

 決して警戒線を乗り越えて展望所へ行ったり、その先の様子を見に行こうなどとしないで下さい。危険です!!!


 残念ながら今期はこうした状況のため、これまでと同じように『安の滝』を楽しみ、感じることが出来なくなっています。しかし『安の滝』やその手前の滝などには全く災害の爪痕はありませんので、何時の日かきっとまた美しい『安の滝』を見て、感じることが出来るようになるはずです。


 森吉山野生鳥獣センター運営協議会では10月にこの『安の滝』で自然観察会の実施を計画していましたがこの様な状況なので、現在コースの変更も検討しています。皆様には決まり次第お知らせいたします。


 『安の滝』の近くには幸兵衛滝などがある『立又渓谷』の歩道があります。こちらは森吉山鳥獣保護区の区域外なので業務で行くことは無いのですが、むしろ「こちらの方が好き!」という方がいるほど魅力的なところです。『一の滝』『二の滝』『幸兵衛滝』と3つの滝を巡るコースで、『一の滝』はかなりの高確率で滝壺に虹が現れる虹の滝として有名ですし、『二の滝』は某地元銀行のカレンダーの9月10月に採用されている美しい滝、『幸兵衛滝』は落差が大きいダイナミックな滝です。時間的にも安の滝コースの展望台までおよそ30~40分(片道)。立又渓谷の幸兵衛滝までが約一時間(片道)なので2コースをまとめて楽しまれるのも良いのではないでしょうか?