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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

旅立ちの樹

2010年06月23日
秋田
 森の中を歩くにはとても気持ちの良い季節になりました。風は心地良いし、ブナの下では日差しも和らぎます。未だ煩わしい藪蚊なども多くはいないし本当にのんびりとした時間を過ごせるのですが・・・・
 どういう訳か?森吉山野生鳥獣センター周辺の散策路には人影がまばらです。先日はほぼ貸し切りで歩くことが出来たほど・・・仕事とはいえ、かなり得した気分になりました。今日の日記はそんな日の一コマから・・・



 森吉の森を歩いていて、最も多く耳に流れてくる音はセミの鳴き声です。特に【エゾハルゼミ】の鳴き声は森中に響いていました。
 その【エゾハルゼミ】の鳴き声に勢いがなくなり、森の中には別の蝉の声が聞こえ始めました。季節は確実に移ろっていきます。

 そんな幾多の蝉たちは短い夏を懸命に生きていて、彼らの鳴き声が響く森の様子は、森吉の代表的は音風景のひとつです。
 その音風景を楽しみながら歩いていると辺りに彼らが旅立った痕跡をいくつも見つけることが出来ます。


 【エゾハルゼミ】は成虫での短い運命を精一杯生きるためにひっそりと森の中へ旅立ちをしていきました。この鳴き声の一つがこの抜け殻の主なのかも知れません・・・。

 ん???あれっ???直ぐ下にもう一つ何かあるぞ!! 


 こちらは何の抜け殻でしょうか?形はカワゲラのようにも見えますが・・私にはこの抜け殻の主がなんなのか?解りません・・・ご存じの方はいらっしゃいますか?



 さて・・・決して目を引くわけではない、細くまだ低いブナの幹から旅立っていったこの2匹。今頃何処でどうしているのでしょうか?何か”縁”があったかな?
 

 このブナの樹ならその答えを知っているのかも知れませんね?